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マスコミはどうして、自転車に乗りながら携帯電話を使う人を批判しないのか [町中のマナー]

【PJ 2007年04月27日】-携帯電話は普及して、今では9千万台も、日本に出回っているらしい。一人で、何台も持っている人もいる。

 日本で初めて持ち運べる電話機が登場したのは、1970年の大阪万国博覧会の会場でのことだ。この頃は技術的な問題があって、限られた地域でしか使えなかった。1979年には、電電公社(NTT の前身)が東京23区で、自動車電話のサービスを始めたが、これは高価で、金持ちしか持てなかった。

 その後、機器は小型になり、料金も下がっていったが、まだまだ庶民の手には入らなかった。1993年に保証金の10万円がいらなくなったら、急に普及した。もう14年も前だ。

 携帯電話が広まった当初から、歩きながら話をする人がいるので、一種の社会問題になった。近くを歩いている人が、話し声がうるさいと思って、携帯電話の会社などに苦情を言い、マスコミがそれを取り上げたのだろう。確かに声はうるさいが、大声を上げている人は、話しを聞かれていいのかと、私は心配になる。

 マスコミは1999年も、時々街中の携帯電話を取り上げていたが、この年は政府が国会に、通信傍受法案を提出していて、マスコミは「権力者は市民の通話を盗み聞きするのか」などと猛反対をしていた。だが、一般人は道で大声を張り上げて話していたので、報道は一般国民の気持ちとかけ離れていると、私は嘆息した。マスコミはイデオロギーから、通信傍受法に反対していたのだろう。

 その後、携帯電話の会社が、歩きながら通話しないよう呼び掛けたので、そんなことをする人は一時減ったが、3年くらい前からまた増えてきたような気がする。日本人のモラルは低下する一方だ。放置自転車も、中々なくならない。台数は減っても、停め方はひどいままだ。

 歩きながら携帯電話を使う人は、まだいい。他の人は、騒音を聞かされるだけで済むからだ。またメールや携帯サイトを見ながら、歩く人もいるが、これもあまり迷惑ではない。もっとも、そんなことをする人は、歩きながら明るい画面を見るので、目を悪くする。

 だが、自転車に乗りながら、携帯電話を使う人はどうだろう。片手で自転車のハンドルを握りながら、もう一方の手で電話を耳に当てて、話している人を見かける。音もうるさいが、自転車に乗りながら電話を使うのは、危ない。誰かにぶつかるかも知れない。実際、そんな人達は、時々よろけている。話しに集中したら、運転に注意が行かなくなるから、当たり前だ。

 だが、もっとひどい人がいる。自転車に乗りながら、メールや携帯サイトを見る人がいるのだ。手許の電話機を見れば、当然前方に目は行かない。前を見ないで、自転車を運転していることになる。以前から、歩きながら本を読む人はいたが、自転車に乗りながら読書する人はいなかった。自転車に乗りながらメールなどを読む人を、街で初めて見た時、私は「何てことをするのか」と心底びっくりした。

 自転車に乗りながら、携帯サイトを見る人を観察していると、時々前方に目を向けるが、大体手許の電話機を見ている。だから、しょっちゅう、よろよろしている。それでもめげずに、携帯の画面を見ながら、自転車を漕いでいる。

 更にひどい人になると、日が暮れて、辺りが暗くなったのに、画面を見ている。日が暮れただけで、自転車の運転は危なくなるはずだ。それなのに、携帯を見ながら、自転車を漕いでいる。当然、運転はおぼつかない。どうかしている。このようなことをしている人は、男より女の方が多く、特に若い女の人によく見る。

 暗い所で明るい画面を見ると、目がとても疲れて、近視が進んでしまう。目が悪い人が増えるのも、一種の社会問題だ。

 私は報道で聞いたことがないが、こんな乗り方をしていると、事故が起きるのではないか。死亡事故でなくても、誰にぶつかって転ばせるとか、ガード・レールにぶつかって、足を捻挫するとか、小さな事故がたびたび起きているはずだ。

 なぜ一般の人は、歩きながらの電話には苦情を言うのに、自転車に乗りながらの電話には、何も言わないのか。苦情を言っても、企業は広告で注意しないのだろうか。会話がうるさいのも困るが、うるさいだけでは外傷は負わない。騒音より、ケガの方が重大だ。
 自転車に乗りながら電話をする人もどうかしているが、大声さえ聞かされなければ、何も言わない周りの人も、自分のことだけ考えていて、どうかしていないだろうか。

 自転車に乗りながらの電話について、一番責任があるのは、当然そんなことをする人だ。自分も他人も危険にさらしていることに、気づくべきだ。好きなことを好きなようにしていいと、思っているのだろうか。

 次に責任があるのは、携帯電話の会社だ。歩きながらの電話だけでなく、自転車に乗りながらの電話も、広告などで顧客に注意すべきだ。

 責任は一番小さいが、一番頑張ってほしいのは、マスコミだ。マスコミは日本人全員に訴えることができるし、日本人の意識を高める役割を担っているのだから、危ない自転車の乗り方をする人に注意しほしい。
 大事故が起きてからでは、遅い。たとえ小さな事故でもいいから報道して、自転車に乗りながら電話を使う人に、警鐘を鳴らしてほしい。また、そういう報道により、日本人のモラル低下も食い止めてほしい。
 日本のマスコミは、事故が起きることが予測できても、何も言わないのに、事故が起きてからは、自らの不作為を棚に上げて、誰かを執拗に追及する。どうかしている。

 自転車の乗り方について啓蒙することは、通信傍受法に反対することより、ずっと大事なことだ。大手のメディアはイデオロギーと日本人の生活と、どちらの方が大切だと思っているのか。【了】

 ライブドアのサイトで読むのなら、http://news.livedoor.com/article/detail/3138124/ で。


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