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サマー・タイムには反対だ [環境問題]

【PJ 2007年05月29日】-5月21日、自民党の中川秀直幹事長は経団連の幹部と会談して、地球温暖化対策の一環として、サマー・タイムを導入したいと述べた。

 サマー・タイムは夏場(5月から9月頃まで)、時計の針を1時間早めて、日の出と日の入りを1時間遅くする制度だ。北欧など日照時間の少ない国では、大抵行っている。日本では終戦直後に実施したが、国民性に合わないので、やめた。また1999年や2005年には、当時の環境庁や政治家が導入を口にしたが、国民の反対に遭って見送った。それなのに政治家はまた言い始めた。私は、サマー・タイムに反対する。

 推進派がサマー・タイム導入の理由としてまず挙げるのは、エネルギーの節約だ。時計の針を1時間進めると、日の出と日の入りが1時間遅くなるので、午前中は冷房を入れる時間が遅くなり、夕方は照明を付ける時間が遅くなる。だから、電気が節約できるという。

 確かにこの点では節約に結び付くが、時計を合わせ直す手間はどうなのだろう。日本には何十億個も時計があるだろうから、それを年に2回も合わせ直すには、膨大な手間がかかる。企業は業者に頼むこともあるから、余計な出費をする。時計だけでなく、パソコンやビデオ・デッキなどにも時計が入っているから、それも直さなくてはならない。また安い時計だと、針を進めることはできるが、遅らせることはできないので、23時間進めなくてはならず、大変だ。

 年2回、自動的に時間を合わせ直す時計も作れるので、時計メーカーはサマー・タイムに賛成しているが、そんな時計を製造販売すれば、資源もエネルギーも使うことになる。電灯を付ける時間を1時間減らしても、余計な時計を作ったら、全体としてエネルギー消費が増えるかも知れない。

 時差ボケの問題もある。外国に旅行した時ほどではないが、サマー・タイムを始めると、日本人は年に2回、軽い時差ボケになる。体の強い人は平気だろうが、お年寄りや病気がちの人には、負担がかかる。家畜なども、餌がもらえる時間が突然早くなったり遅くなったりして、体調を崩すかも知れない。

 推進派は、経済効果も上げている。日没が1時間遅くなると、会社帰りにスポーツをする人などが増えて、お金を使うと言う。仕事のあとに、スポーツをしたい人がどれほどいるのか。東京や大阪に運動場が、そんなにあるのか。エネルギーは節約できても、会社員は金を使わされるのか。為政者は、庶民の生活のリズムを勝手に変えた上に、金を出させようと言うのか。サマー・タイムそのものより、政治家や財界幹部の考え方が恐ろしい。

 北欧などでは日照時間が短いから、サマー・タイムを行っているが、日本は日の照る時間が長いから、必要ない。電気を節約するには、他にも方法がある。ネオン・サインを消す時間を早めてもいいし、クール・ビズなどで、冷房の設定温度を上げてもいい。中川幹事長らは、地球温暖化を防ぐためにサマー・タイムを考えているが、いわゆる温暖化は起きていないという説もある。せめて温暖化の正否を見極めてから、始めるべきだ。サマー・タイムには、長所より短所の方が多いはずだ。きっぱり諦めるのが、日本の為になると思う。【了】

 ライブドアのサイトで読むのなら、http://news.livedoor.com/article/detail/3178850/ で。


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