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英会話学校について(上)~NOVA の体験レッスン [英語教育]

【PJ 2007年11月23日】-英会話学校の NOVA は6月、誇大広告などの不正をしていたので、経済産業省から処分を受けた。そのため新規契約が減って、経営は悪化した。給料の支給が遅れたため、10月中旬には外国人講師がストをした。10月26日にはとうとう、大阪地裁に会社更生法の適用を申請して、営業を停止した。11月6日にはジー・コミュニケーションズが、670教室のうち200教室を引き受けると発表し、19日には名古屋市で授業を再開した。

 NOVA に通ったことはないが、池袋本校に説明だけ聞きに行ったことがある。その時、他の不正に気が付いたので、体験談を交えて NOVA の問題を書いてみたい。

 私は大学の英文科を出てから、3年間進学塾で中学生に英語を教えていた。英語を読むことには慣れたが、会話には自信がないので、英会話学校に通おうと思った。15年くらい前のことだ。

 NOVA など幾つかの学校に行って、説明を聞いた。私の記憶では、NOVA では一番短いコースでも1年で、授業料は50万円くらいだった。2年コースは90万円くらいで、3年コースは130万円くらいなので、「長いコースの方が得だ」と言われた。得であっても、金額が大きいので、とんでもないと思った。その頃はまだ返金の制度はなかったようで、返金については聞かなかった。

 二十歳くらいの女の子が何人も2年コースに申し込んで、90万円くらいを一遍に払っているのを見て、驚いた。女子高生が制服を着たまま、授業に出ているのにも、びっくりした。

 1年も通えるかどうか分からないし、金額が高いので、NOVA には行けないと思った。説明をした女性社員の態度がぞんざいなことも、気になった。明るくしていたが、心がこもっていなかった。そのため、NOVA に通う気持ちが更に薄らいだ。

 体験レッスンが受けられるというので、受けることにした。まず英語の体験レッスンを受けたいと申し出た。男の外国人が出て来たが、急に気が変わって、「ドイツ語の体験レッスンを受けたい」と言った。そうしたら、その外国人がドイツ語のレッスンもするような素振りをした。ドイツ人が英語を教えることもあるが、この人はアメリカ人かカナダ人のようだった。スタッフと英語でやり取りをしていて、その発音が北米英語だったので、そう思った。「この学校はいい加減だ」と思って、体験レッスンは断って、外に出た。

 他にジオスにも行ったが、予約をしていないと説明もしてくれなかった。また、プラディ・ハウスという英会話学校にも、説明を聞きに行った。ここは3ヶ月コースで、25万円くらいだった。NOVA に比べると割高だが、最低の授業料はずっと安いし、期間も短いので、ここに通うことにした。

 暫くしたら NOVA の女子従業員が、自宅に電話をかけてきた。私は既にプラディ・ハウスに決めていたので、「行かない」とはっきり断った。だがそのあとも何度か、従業員が電話をかけてきて、「どうして来ないのですか」などと勧誘した。余りにしつこいし、言い方がぶっきらぼうなので、不愉快になった。

 最後の電話の時、従業員は「何か意見があったら言って下さい」とも言った。会社をよくする気はあったようだが、「そんなしつこい体質が嫌なのだ」とは言えなかった。曖昧な答えをしていたら、「もういいです」などと言って、電話を突然ガチャンと切った。本当に無礼な会社だと思った。それを最後に電話は来なくなったが、4回くらい会報を送ってきた。だから私の NOVA に対する印象は、しつこくて、高いというものだ。

 プラディ・ハウスには3ヶ月くらい、休むことなく通うことができた。まあいい学校だったと思った。だが、この英会話学校はそれから5年くらい経ったら、倒産してしまった。NOVA のような図々しい学校が続いて、良心的な学校が潰れてしまったことに疑問を感じた。だから今回、NOVA が経営破綻したと聞いて、少し気持ちが和らいだ。

 NOVA ではアメリカ人などがドイツ語を教えていたようだと書いたが、それは15年も前のことだから、最近は違うだろう。ドイツ人やオーストリア人が、ドイツ語を教えているはずだ。体験レッスンだけは、アメリカ人などが担当したのかも知れない。

 その点を確かめるために、NOVA の池袋本校と巣鴨校に電話して、聞いてみた。どちらも女性が出て、「ネイティブ・スピーカーが教える」と言った。だが、話し方はまだ軽薄で、ぞんざいだった。接客態度は、15年経っても変わっていない。また国語力が低いので、商業敬語の「なります」を言った。

 15年前のことは、教室に訊いても分からないだろうと思って、大阪の本社に電子メールで2度問い合わせたが、返事がなかった。そこで郵便を出したら、やっと返事が来たが、「体験レッスンも含めてネイティブ・スピーカーが担当する」と書いてきた。だが、役所の指導にも拘わらず誇大広告を出し続け、返金にも応じなかった会社の言うことなど、信じられない。実際私は、同一人物が英語とドイツ語の体験レッスンをしようとする場面を目撃した。それは私の勘違いかも知れないが、不審を抱かせたのは確かだ。

 6月14日付の読売新聞によると、猿橋社長はカナダ人やスウェーデン人の友人と一緒に NOVA を始めたから、最初から非英語圏の欧州人が英語を教えていた訳だ。過去には北米人が、ドイツ語を教えたこともあるのではないか。NOVA は正直に答えてほしい。

 日本の語学学校では、ドイツ人などが英語を教えることがある。ドイツ語を習いに学校に行ったら、ドイツ人の先生は「普段は専門学校で英語を教えている」と言っていた。同じようなギリシャ人にも、会ったことがある。

 NOVA は広告や返金のこと以外にも、スキャンダルが多かった。講師が殺されたり、大麻所持で捕まったりした。経営が不誠実だから、問題のある講師が集まるのだろう。

 10月30日には弁護士が、豪華な社長室を公開した。バー・カウンターがあり、隠し部屋には茶室やベッド・ルームまで備え付けてあった。社長はここに寝泊まりしていたのか。内装費用は6千万円くらいで、家賃は270万円だったという。猿橋氏は倒産前に関連会社の株を売ったあと、行方をくらませて逃げている。最後まで無責任だった。【つづく】

 ライブドアのサイトで読むのなら、http://news.livedoor.com/article/detail/3400997/ で。

CAGFBM2S.jpg
     NOVA 池袋本校の看板(撮影:跡見昌治、11月21日)

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