姿勢と政策は別~小泉改革について [*経済]
【2008年12月31日】-また続きです。
小泉元首相を支持した人達は、言い方や態度に賛同したのだろう。政治家は曖昧な発言が多いが、小泉ははっきり言った。「靖国神社に参拝する」と明言し、参拝した。
また男らしかった。「何としても郵政民営化をやり遂げる」と言った。今秋には次の衆院選挙に立候補しないとも宣言した。元首相たちは、中々引退しない。それなのに引退を表明したのは、男らしい。
そのような小泉氏の言い方や態度は確かに、素晴らしい。だが、それと政策の是非は別だ。
どんなに男らしくて発言が明瞭でも、政策が駄目なら、その首相は駄目だ。どうも小泉氏を支持した人や、今でも支持している人達は、姿勢と政策を分けて考えてないのではないかと思う。
首相を会社の社長に譬えてみると、分かりやすい。いつも男らしくて、言うことがはっきりしていて、社員のことを考えている社長は、人としては素晴らしい。
だが、経営判断は間違えてばかりいて、いつもライバル社に後れを取っていたら、どうだろうか。人として素晴らしくても、社長としては失格ではないか。そんな社長の許で働きたいと思う人は、どれだけいるだろうか。
小泉氏が靖国神社に参拝したことは、保守派にとっては嬉しいことだ。だが不良債権の処理はどうだろうか。銀行が不良債権を処理したために、企業が潰れた。それで景気がよくなったかと言うと、よくならなかった。
小泉氏は「改革には痛みが伴う」と繰り返し言って、その見方に賛成した国民が多かったが、痛みだけ味あわされて、経済の改革は進まなかったのではないか。
小泉氏の言うことは初めから、インチキだったと思っている。人を乗せるのがうまいだけで、政策を真剣に考えていた訳ではないと思う。
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