東国原の自信過剰と橋下の空回り [政治家]
【2009年07月12日】-最近、知事や市長がメディアに出ることが増えている。石原慎太郎氏も都知事になってから注目を集めたが、東国原と橋下の両知事はまた違う役割を果たしている。
東国原知事は宮崎の特産物を宣伝したので、売り上げを伸ばした。一方、橋下知事は直轄事業負担金の是正など政府に要望することが多い。前者は芸人だったから宣伝が上手いのも頷けるし、後者は弁護士とテレビ・コメンテーターをしていたので、政策に一家言あって当然だ。前歴が、知事になってからの活躍ぶりをある程度物語っている。
最近、両知事は国政を巡って動き回っているが、脱線気味だと思う。
・自信過剰の東国原
東国原知事はどうしたのだろう。自民党に対して、「全国知事会の地方分権政策を衆院選のマニフェストに入れてほしい」「自分を総裁候補にしてほしい」と求めている。前者はいいが、後者はうぬぼれだ。
戦後、国会議員でない者が党首になったことはないだろうから、難しい。自民党の総裁選挙に出るには推薦人を20名集める必要があるから、「幹部に候補にしてくれ」と言っただけでは不充分だ。
東国原知事は、自民党の総裁になることが目的ではなく、総理大臣になりたいはずだが、次の衆院選では民主党が勝つ情勢だ。自民党の総裁になっても総理になれない。だが同知事は7月1日の講演で「自分が自民党から出馬すると、自民党は負けない」と述べた。ここまで過信していると、病的だ。
自民党は総裁が駄目だから、支持率を落としている訳ではない。党全体が信用をなくしている。それを自分の人気だけで跳ね返せると思うのは、信じられないうぬぼれだ。
前からお調子者だと思っていたが、ここまで調子に乗るとは予想もできなかった。この人が知事になった時、妙に謙虚で頑張るから「いつまで続くか。いつまで県民が支持するか。」と思っていたが、たった2年半で馬脚をあらわしてしまった。残念ながら、芸人の域を出られなかったのだ。
「総裁候補にしてくれ」などと言わなければ、宮崎県知事を2期くらい務めてから、国政に転じ、大臣を経て、首相になれたかも知れないのに、事を急いだために信用を失ってしまった。
・知事会が支持政党を決めるのも無理
橋下知事の方は、全国知事会が各政党のマニフェストに点数を付け、支持政党を明らかにするよう求めているが、いいとは思わない。府県によって事情が異なるはずだから、簡単には決められない。また、支持する政党を決めてしまうと、政策ごとに是々非々で対応することが難しくなる。
それに、支持しなかった政党とは、しこりが残る。橋下知事は7月8日、民主党や公明党の幹部と会談したが、どの党も支持してもらおうと、おべっかを使っていた。
東京の石原知事、三重の野呂知事、福岡の麻生知事(知事会会長)も、政党支持には反対している。橋下知事は「地方分権を進めるには、支持政党を決める必要がある」と言うが、そうだろうか。民主党は地方分権を進める考えだから、政権を取ったら地方分権だけは進むはずだ。
この他、横浜の中田市長も様々な会合に出席しているが、週刊現代が女性スキャンダルを暴いたためか、元気がない。雑誌は国全体のことも考えるべきだ。
このエントリーを書きながらインターネットで東国原知事のことを調べていたら、以下のサイトを見つけた。宮崎県の中学教師が授業で、知事について話した時の記録だ。面白いので、興味のある方はどうぞ。
https://www.manabinoba.com/index.cfm/4,8945,261,html?CalendarDate=2008/06/01
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