年末忙しいのは、年始を落ち着いて過ごすための演出か [他の評論]
【2009年12月29日】-年末だ。今年も残すところ二日になった。
年末は忙しい。大掃除をするし、飾り付けなど新年の準備をするからだ。お節料理を作るのも大変だ。
家族と暮らしている人たちがそのように慌ただしいのは当たり前だが、一人暮らしの人は松飾りなどあまりしないし、お節料理も作らないだろうから、ふだんと同じように過ごしているのだろうと思っていた。
だが数年前、大晦日の夕方街を歩いていたら、一人暮らしをしているように見える人たちが忙しそうに歩き回っていたので、意外に思った。買い物をしたり、洗濯物をコイン・ランドリーに持って行ったりしていた。
年始の数日間は休む店が殆どだから、買い物をしなければならないのは当たり前だ。だが三が日でも洗濯はできる。それなのにコイン・ランドリーに行ったのは、年始は洗濯をしたくないからだろう。一般の家庭でも年始の数日は料理をしないで、お節料理を食べる。
年始にゆっくりするために年末色々する訳だが、それだけではないと思う。年末忙しければ、年始の数日間余計に落ち着いた気持ちで過ごせる。三が日の落ち着きを大きくするために、年末慌ただしく動き回る習慣ができたのではないだろうか。
誰かが亡くなった後も、家族は葬式などでとても忙しい。悲しみを感じないように、忙しくなる習慣ができたのではないかと思う。
年末などに慌ただしい習慣は日本人の知恵とも言えるが、他の民族も同じようにしているだろう。この世の習慣には、そんな演出もあると思う。
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