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今日は「元日」だが、「元旦」ではない [*国語]

【2010年01月01日】-1年の始まりの日を「元旦」と言う人が多いが、本来それは間違いだ。「元日」としか言えない。「元旦」と「元日」は意味が違う。

 「旦」は「朝」の意味だから、「元旦」は「1月1日の朝」を表す。「元日」は発音しにくいから、「元旦」と言うことが多くなったのだろう。

 『西郷南洲遺訓』(岩波文庫版)をパラパラめくっていたら、西郷隆盛の書いた漢文が載っていて、「旦夕」という語が目に入った。たまたま目にしたので、もうどのページか分からない。

 「旦夕」は「たんせき」と読んで、「朝と晩」の意味だ。大辞林など大型の国語辞典にも載っている。

 日本人がこのような語をまだ知っていたら、「元旦」を「元日」の意味で言う人は殆どいないだろう。漢語の知識が落ちてしまった。

・「旦」は日の昇る様子を表す
 漢和辞典を引いたら、「旦」の成り立ちが書いてあった。「日」は当然太陽のことで、下の横棒は地平線だ。つまり、太陽が地平線から昇ってくる様を表している訳だ。学校でこのような「旦」の成り立ちを教えたら、誤用は大きく減るはずだ。

 「元旦」を含む諺に、「一年の計は元旦にあり」がある。「一年の計画は元日の朝に決めるべし」という意味だ。中国の馮応京という人が『月令広義』に書いた言葉が起源で、元々は「一年の計は春にあり」だったそうだ。

 この場合の「春」は「年の初め」のことだ。その意味では「新春」「迎春」という言葉がある。

 漢字は面白い。漢和辞典は幾ら見ていても飽きない。漢語の本来の意味、正しい使い方も分かる。

・参考文献
『漢語林』(大修館)

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q122408357

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E4%B8%80%E5%B9%B4%E3%81%AE%E8%A8%88%E3%81%AF%E5%85%83%E6%97%A6%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8A&dtype=0&stype=0&dname=0ss&ref=1&index=108290400000

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