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毎日新聞は文科省の懇話会も歪曲した [*経済]

【2011年01月25日】-毎日新聞の「新卒採用アンケート」(1月6日付)という記事を何度も取り上げているが、今回は次の部分について検討したい。

「文科省は11月、企業側と大学側が参加する懇話会を設置し、この席で企業側から『大学教育の中で、即戦力となる人材を育ててほしい』と要望が出されていた。」

 焦点は当然のことながら、企業が本当に「即戦力となる人材」を育てて欲しいと大学に要望したかどうかだ。

 この懇話会について毎日新聞がどんな記事を載せたか調べたところ、11月22日付に「文科相:『新卒者等の就職に関する懇話会』第1回開催」と題する記事を載せていた。「j-aizu 労働速報!」というブログが転載していたので分かった。全文を引用する。

「来春卒業予定の大学生の就職内定率が57.6%(10月1日現在)と調査を始めた96年以降で最低になったことなどを受け高木義明文部科学相は22日、文科、厚生労働省と企業、大学関係者などで作る『新卒者等の就職採用活動に関する懇話会』を設置、第1回の会合を開いた。

 文科省はこれまでも企業側に『採用試験早期化、長期化の是正』や『卒業後3年までの新卒者扱い』などを求めてきたが、10月の内定率が就職氷河期とされる93~05年ごろを下回ったため、緊急対策が必要と判断した。

 懇話会には日本商工会議所や日本経団連、国立大学協会、私立大学連合会などの代表が出席。企業側から『大学で社会に出るためのキャリア教育をしてほしい』、大学側から『企業は求める人材を明確に打ち出してほしい』などの意見が出された。懇話会は今後、1カ月半~2カ月に1度の割合で開催される予定。」

 図書館に行って毎日新聞の縮刷版で確認したところ、この記事は確かに経済面にあった。

 この記事には、「企業側から大学にキャリア教育をして欲しいという要望が出た」とは書いてあるが、「即戦力を養成して欲しい」と言われたとは書いていない。

・他のメディアにもなし
 毎日が書かなかったとしても、企業はこの懇話会でそのような要望を出したのかも知れない。

 そこで他のメディアを調べた。日テレはこの懇話会を2回も取り上げた。
http://www.news24.jp/articles/2010/11/22/07171040.html
http://www.news24.jp/articles/2010/11/23/07171047.html

 日経も掲載したが、同紙のウェブ・サイトにはもう載っていない。「ミライヘZ」が転載している。
http://www.miraie-z.com/972

 NHK、テレ朝、読売新聞、朝日新聞、共同通信も調べたが、この懇話会は取り上げなかったようだ。

 日テレと日経の記事には、「即戦力」はおろか「キャリア教育」という言葉もない。

・文科省
 そこで、文科省のウェブ・サイトでこの懇話会の議事録などを探した。だが載っていないので、20日ウェブ・サイトから同省に問い合わせた。

 残念ながら、まだ返事がない。議事録ができていないのかも知れないし、返信が送れているのかも知れない。

 いずれにしても篠原記者が1月6日付に書いたことは、きっと嘘だ。「キャリア教育」を「即戦力」とねじ曲げたに違いない。

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