断章取義が政治を劣化させる=「疎い」発言について [政治家]
【2011年01月29日】-また政治家のたった一言で騒動が起きている。菅首相の「疎い」発言だ。
私が27日の夜この発言を始めて聞いた時、感じたことは「首相が『国債の格付けには疎い』などと言っていいのか」だった。知らないのに知ったか振りをして何か言うのは倫理的に悪いことだが、首相が記者の質問に無知を認めるのも行けない。
だがメディアや野党の反応は違って、「『格付けに疎い』とは何事か」と強く反発している。
・ねじ曲げ
首相のこの時の発言全体を聞いてみると、「国債の格付けに疎い」と言った訳ではない。「格付けが下がったことについて詳しく知らない」という意味だ。実際首相は翌日「そういうつもりだった」と釈明した。
格付けについては聞いていないし引き下げの意味合いがよく分からないので、当てずっぽうを言ってあとで問題になっても困るから、「疎い」と言ったのだろう。その姿勢は評価できるが、「疎い」という表現を使ったものだから、「国債の事情に疎い」と取られてしまった。
TBS は「世界が日本をどう評価しているかという点を軽視しているとも取られかねない発言」と批判したが、ねじ曲げている。たとえ「格付けに疎い」という意味で言ったとしても、世界が日本をどう見ているかに無関心と述べたことにはならない。
そもそもアメリカの格付け会社の判断を「世界」と言いくるめるのが問題だ。毎日新聞が就職についてねじ曲げたように、話しを誇張して問題を大きくしようと企んだ。
・断章取義
首相にも責任があるが、言葉尻を捉えて批判するのはどうだろうか。全体を見ずに一部分だけ取り出して解釈することを断章取義と言うが、この騒動も断章取義ではないか。菅首相は財政再建に取り組む意欲は示しているのだから、国債に無関心な訳ではない。
大した問題ではないのに、メディアと野党が騒いで内閣を追い詰めていく。政治家の失言パターンだ。これが政治劣化の一因のはずだが、野党に転落した自民党も業績が悪化しているメディアも、全く反省しない。狂っている。
なお私は、首相をかばうつもりはない。今回の発言について公平に見ようとしただけだ。菅首相を評価していない。早めに辞めてもらった方がいいと思っている。
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