SSブログ

変形生成文法の簡単な説明 [英語学]

【2012年05月08日】-生成文法は以前、変形生成文法と言った。「人間が発する文には基本的な形があって、必要に応じてそれを変形させ使う。また文法は無限の文を生み出す。」という観点から、このような名をつけたらしい。

 アメリカ人の言語学者のノーム・チョムスキーが1957年に提案した学説で、今では各国の文法家がこの枠組みで言語を研究している。(他の学派もある。)

 それまでにも文法に変形という概念はあったが、チョムスキーの捉え方は斬新だった。表層構造や深層構造という発想も素晴らしかった。

 チョムスキーは大体10年ごとに、変形文法の新しい理論を発表してきた。標準理論(1957年)、拡大標準理論(1965年)、修正拡大標準理論(1973年)、統率束縛理論(1981年)、ミニマリズム(1990年)と発展させてきた。

 修正拡大標準理論までは割と分かりやすいが、統率束縛(Government and Binding)理論以降は非常に専門的だ。

 変形文法は15年くらい前に一応勉強したが、そのあと中断していた。最近ようやくGB理論をやったら驚いた。用語が難解で、それを理解するのに一苦労するからだ。

 用語が難解なのは今までにない捉え方をしているからだが、余りに難しい用語もあるので、必要性を疑うこともある。

 英語ができる人なら誰にでも分かる文を厳密精密に分析するために、難解な用語を作り出している。

 今では初期の斬新さはない。変形という考え方は後退し、表層構造という概念もやめてしまった。余りに理屈っぽいので、入門書さえ所々論理学の本のようになっている。分かり始めると面白いが、それまでが大変だ。

 言語の体系的な説明や普遍文法の樹立を目指すより、斬新な分析を示すことの方が、人類の英語理解に役立つと思う。

ブログランキング・にほんブログ村へ

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 2

コメント 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。