「~によると、~らしい」は本来おかしい [*マスコミ]
【2012年08月28日】-先週は日本言語学会が開催した夏期講座に参加した。日本を代表する言語学者12人が講義をした。
講義は素晴らしかったが、学生の発表も面白かった。その中で、中国人が日本語の重複表現を取り上げたのが目を引いた。最近の言語学は理論研究に偏り、言葉の乱れを取り上げることは少ないからだ。
重複表現とは、同じことを2度言う表現だ。「最後」は「一番終わり」の意味なのに、「一番最後」と言う人がかなりいる。このブログでは言葉の乱れを何度も扱ってきたが、重複表現も乱れた言葉だ。それを取り上げた人がいたので嬉しくなったが、外国人だったので日本人として恥ずかしくなった。
その女子大学院生は「~によると、~らしい」も重複表現として挙げたが、大阪府立大学の英語の先生は質疑応答で「これはおかしくない」と否定したので、驚いた。外国人より日本語ができない。
「~によると」は典拠を表すから、「らしい」は要らない。「天気予報によると、明日は雨だ」でいい。「明日は雨らしい」とは本来言わない。
だが私もこのブログで「らしい」をつけたことがある。「よると」と「らしい」が離れていると、自分の意見と思われてしまいそうだったからだ。内容が当てにならない時も、断言しにくいので「らしい」をつけた。
言葉の乱れにもそれなりの理由がある。
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