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音声学会の発表は詰まらなかった [英語学]

【2012年09月30日】-今年の4月から日本音声学会に入会した。日本の学会に入るのは初めてだ。

 9月29日と30日全国大会を大東文化大学の板橋キャンパスで開いたので、29日だけ発表を聞きに行った。

 感想を一言で言うと詰まらなかった。英語の音声に関する発表を3本聞いたが、当たり前のことを実験で確認した発表が2本もあった。

 目白大学の広実義人先生は、英語を聞く時の早さに関して発表した。日本人が英語を聞くと大抵早いと感じるが、知らない単語が多いと余計にそう感じるかという内容だった。

 難しい単語が多いと早く感じると予測がつくが、大学生を被験者にした実験をしたところ、予想通りだった。

 2本目は、静岡文化芸術大学の杉浦香織先生ら10人が、英語の「流暢性」について発表した。日本人に絵を見せて、それを英語で説明させた場合、1回目より2回目の方がうまくなるか(流暢になるか)という実験をしたのだ。2回目の方がうまくなるに決まっているが、実験結果は実際そうなった。

 3本目は上智大学の渡丸嘉菜子さん(院生)が、schwaの音質(周波数)を測定した結果を発表した。シュワーは[ə]という発音記号で表す音で、sofaの末尾の音などだ。曖昧母音と言うくらいだから音質(周波数)に幅がある。その幅が単語内の位置(語頭か語中か語末か)によって、どう変わるか実験をした。([ə]はeを逆さにして作った記号だ。)

 英語に実際にある単語(aboutやlemon)をアメリカ人などに発音してもらって、その音質(周波数)を測定したのなら英語理解に資するが、架空の語を作って測定したので、中途半端な結果に終わった。

 質疑応答の時間では、大学のベテラン教師が内容や実験方法を問い質す質問が多かった。学会の研究発表は大学院生や若手の教師を教育する場なのなら、予測を確かめる発表でもまだいいが、これでは時間の無駄だ。

 広実先生は「被験者」を「ひけんじゃ」と言っていた。普通「ひけんしゃ」だ。

 受付で参加費を払ったら、なぜか大東文化大の学校案内をくれた。豪華さに驚きながらページをめくっていったら、文学部でも外国語学部でも生成文法を専攻する女の先生が出ていた。空疎な研究をしている暇はない。英和辞典も音声学書も不充分なのだから。

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