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バスク語には受動態がない! [他の言語]

【2012年10月28日】-26日東大の言語学研究発表会がまたあったので、行ってみた。今回のテーマはバスク語だった。

 バスクはスペインとフランスにまたがる地域で、大西洋に面している。67万人ほどがバスク語を話している。印欧語に挟まれているが、印欧語族には属さない。

 言語学では、能格(ergative)という特別な格が有名だ。名詞が他動詞の主語になる場合、その名詞を能格に置かなければならないのだ。能格と言っても別に難しくはなく、名詞に-kをつけるだけだ。

 発表のテーマは「自分の」を表す代名詞が先行詞に関してどのような制約を受けるかだったが、私の関心を一番引いたのはバスク語には受動態がないということだった。

 受動態のない言語があるような気がしていたが、印欧諸語にはどれにもあるはずだし、日本語にも受け身があるのだから、そんな言葉はないだろうと思いっていた。だが、実際にはあった。

 英語などでは受動態を、主語を略したり、話しのテーマ(主題topic)を変えたりするために使うが、バスク語では主語を言わなくても文が作れるし、語順が自由らしいので、受動態を使わなくても主題を変えることができる。それで受動態がないのだろう。

 スペイン語やイタリア語では主語に合わせて動詞が大きく変化するので、主語を略せるが、受動態がある。ロシア語でも主語を略せるが、受動態をあまり使わない。

 語順が自由だったラテン語にも受動態があったし、ギリシャ語には中動態まであったから、語順が自由な言語には受動態が絶対にない訳ではない。

 バスク語に受動態がないと言ってもそれは共通語についてのみ言えることで、発表者が調査したレクンベリ村の方言では受動態を使うこともあるそうだ。フランス語の影響だろうと話していた。

 そういえば23日頃の深夜床に入っていて、突然受動態のない言語があるような気がした。最近受動態については考えていなかったので、不思議だ。26日の発表を予知したのだろうか。

・リンク
http://groups.google.com/group/linguistics-jp/browse_thread/thread/3926ed2895bef137

http://en.wikipedia.org/wiki/Passive_voice

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