英米の「ヘンリー」はフランスの「アンリ」 [英語学]
【2012年12月09日】-英米人の名には、ドイツ語やフランス語に対応しているものがかなりある。
ヘンリー(Henry)がドイツのハインリッヒ(Heinrich)に対応するのは想像がつくが、フランスのアンリとも対応する。Henriと綴りを書けば一目瞭然だ。フランス語ではenやemは「アン」と読む。
英語のジョン(John)がフランスに行くとジャン(Jean)になるのは分かりやすいが、ドイツのハンス(Hans)にも対応するのは意外だ。元の形はJohannesだ。英語などではaが落ちたが、ドイツ語ではJoなどが落ちた訳だ。
Hansはまだいいが、ロシアに行くとイバーン(Ivan)となる。全く違う。日本でこの名は「イワン」として広まっている。hがvに変化したのだろう。
英米のチャールズ(Charles)はフランスではシャルル(Charles)で、ドイツではカール(Karl)だ。
このように欧米人の名は相互に対応しているから、別々に覚えるのは効率が悪いし、本当の理解につながらない。元の語が各語に入って変化して違う語形になったはずだから、対応するものとして覚えるべきだ。
英米人がフランス史を書く時は、アンリ2世などをHenriでなくHenryと書くことが多いと思う。フランク王国の「カール大帝」(Karl)のことを英米では大抵Charlesと書く。対応を知っておく必要がある。
コメント 0