SSブログ

日本人が英語ができないのは、文法が苦手だからだ [英語教育]

【PJ 2007年05月14日】-日本人は、なぜ英語ができないのだろうか。正確に言うと、なぜ英語のできる日本人が、極端に少ないのだろうか。理由は、勉強が足りないから、特に文法が分かっていないからだと思う。

 単語をしっかり覚え、文法を学び、十分に練習すれば、外国語はできるようになる。多くの日本人は、単語をちゃんと覚えていないし、文法もあまり分かっていない。練習も足りない。だから、英語ができないのだろう。

 マスコミは以前「日本人は会話は苦手だが、文法は得意で、読み書きはできる」と言っていたが、これは嘘だ。実際には会話だけでなく、文法も読み書きも苦手だ。翻訳家などが訳した本には、誤訳や意味不明な訳文がある。読み書きがちゃんとできないから、会話もできないのに、どういう訳か会話だけ苦手だと言ってきた。

 殆どの日本人が、英文法を理解していないのは、ひどい和製英語を見れば、明らかだ。文法的に考えられない和製英語が、氾濫している。「グランド・オープン」などは、恐ろしいくらいだ。動詞を修飾するのは副詞なのに、open という動詞の前に、grand という形容詞を置いている。こんなことを書く企業の人も、これに疑問を感じない一般の人も、英文法の基本が分かっていない。

 実を言うと、中学や高校の教師は、英文法をちゃんと教えていない。公立の中学では、文法用語を極力使わないようにして、文法を教える。だが大半の高校では、生徒は文法用語を理解しているという前提で、授業をするようだ。私の通った高校ではそうだった。だから、生徒は文法の説明を聞いても、理解できないことになる。

 英語に限らず、語学教師は教え方や説明が下手で、大事なことを生徒に伝えることができない。これでは、日本人が英文法をよく理解していないのも、当然だ。

 英文法では文法用語を、国文法とは違う意味で使うことも、混乱の元になる。形容詞や英語か国語の教師は違いを説明すべきだが、それをしている先生は全国を見渡しても、殆どいないだろう。

 文法の必要性は明白なのに、文法を不要とする俗説も、まかり通っている。文法は、数学の公式やスポーツのルールのようなものだ。言語を成り立たせている基本法則だ。文法を理解しないで、どうやって英語を読んだり話したりできるのか。

 更に踏み込んだことを言うと、大半の教師が、文法をどれほど正確に理解しているか、怪しい。教師自身、文法を体系的に教わったことがない。受験参考書にも、文法や解釈の間違いがある。日本人は、英文法が得意どころか、苦手だ。だから、読解も会話もできないのだ。

 文法が分かっていなくて、受験生はどうやって英語を読み解き、大学に合格するのか。勘で訳しているようだ。単語の意味を勘でつなぎ、文の意味を推測しているようだ。

 ペーパー・テストなら勘でごまかせるが、会話ではそうは行かない。単語を聞き取って、勘で文意を推測するのは難しい。読解の時には、戻って読み返せるが、会話ではそれができない。また話しは、展開が早い。早く読めるようになっていないと、言葉のやり取りについて行けない。

 だから、ちゃんと読めるようになってない人は、うまく会話ができない。会話が苦手なのは、読解がちゃんとできないからだ。大半の日本人にとって、読み書きは得意だが、会話は苦手なのではない。両方とも苦手だ。もちろん、両方とも得意な日本人もいる。

 つまり多く人が英会話に苦労するのは、文法の理解が浅く、読解力が低いからだ。それをはっきり認識して対策を立てないと、日本人の英語力はいつまでも高まらない。

 以上のことは主に教える側の問題だが、生徒の側にも問題がある。英語を熱心に勉強する生徒は、多くない。一般的に日本の子供は、点数と成績のためには勉強するが、何かを身に付けようという気持ちでは勉強しない。教師が頑張っても、生徒が一生懸命勉強しなければ、成果は上がらない。

 外国語は、簡単にできるようにならない。何年も勉強して、やっとうまくなれる。そのことが分かっていない人は、すぐ「受験が悪い」とか「教科書が駄目だ」と、人のせいにする。

 現実を見詰めて必要な改革をしないと、小学校から英語を教えても、日本人の英語力は高まらないだろう。【了】

 ライブドアのサイトで読むのなら、http://news.livedoor.com/article/detail/3157431/ で。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:資格・学び

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。