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グッドウィル全体が悪いのか [*マスコミ]

【PJ 2007年06月28日】-マスコミは6月中旬、コムスンと年金の問題で、持ちきりだった。両方とも厚生労働省の管轄なので、社会保障に対する不安が高まったように思う。

 コムスンの悪質さには、びっくりした。役所に嘘の申請をして、介護報酬を余計にもらっていた。それがばれて、処分を受けそうになると、事業所の廃止届を出して、連座制の適用を免れていた。こんなやり方が非難を浴びたら、親会社のグッドウィルは、コムスンの全事業を、グループ内の子会社に譲渡すると言い出した。

 厚生省は同社に譲渡の中止を求め、都道府県庁にはその子会社を事業指定しないよう通知した。その結果、グッドウィルは譲渡を諦めた。
 マスコミも、轟々たる非難を浴びせた。折口会長の自宅はもとより、軽井沢にある別荘まで出かけて、豪邸を映した。まるで、不正によって豪邸を建てたといわんばかりに、非難した。

 確かに、報道や役所の処分を見る限り、グッドウィルは不正をしている。だが、他の事業についてはどうなのか。マスコミはコムスンの不正だけを根拠にして、グッドウィルを批判し続けたが、他の子会社はどうなのか言わなかった。少なくとも私は、他の事業については見たことがない。他事業でも不正をしているだろうが、それをはっきり言わないで、糾弾してもいいのか。他の事業の不正に関してまで、グッドウィルを非難すると、同社が潰れてしまうと思って、避けたのかも知れないが、コムスンの不正だけで親会社をあんなに批判するのは、やり過ぎではないか。

 また介護に絞っても、確かに介護報酬は不正に受け取って、詐欺のようなことをしたが、介護の現場ではどうだったのか。コムスンに勤めるヘルパーは、お年寄りをちゃんと介護していなかったのか。介護事業に関して一番大事なことは、実際の介護をどれだけ丁寧にやっているかだ。役所に嘘の申請をして、介護報酬を余計にもらっては行けないが、実際にどんな介護をしているかが大切だ。テレビには、「コムスンのヘルパーは、丁寧な介護をしてくれる」と話すお年寄りが出ていた。実際の介護という一番大事なことには触れないで、コムスンを糾弾するのは、不当ではないだろうか。

 マスコミは、企業や役所が不正をしていると分かると、寄ってたかって攻撃するが、一番大事なことを忘れて批判することが多い。これでは日本人は、何が重大な不正で、何が些末な問題なのか、分からなくなってしまう。その結果何となく、ある企業などに不満や怒りを抱くことになるのではないか。

 またテレビでは、「福祉では利益を上げないで、奉仕の精神で尽くすべきだ」と言う人が何人かいたが、株式会社としてやっている以上、利益を上げてもいい。奉仕の精神で赤字を増やして、倒産したら、人に迷惑をかける。不正な手段で利益を上げては行けないが、正当なやり方なら、儲けていい。不当な利益と正当な収益を区別しないのは、どうかしている。安っぽい正義感を広めたいのだろうか。

 また介護報酬の詐取は、他の企業もやっているそうだが、グッドウィルなど悪質な会社については、警察が捜査をして、幹部を逮捕する必要があろう。

 グッドウィルは、英語で「善意」という意味だ。will の基本用法は未来を表す助動詞だが、「意志」という名詞の用法もある。「善意」という名の会社が、ひどい不正を行ってきた。偽善を言う連中こそ、悪いことをするものなのか。【了】

 ライブドアのサイトで読むのなら、http://news.livedoor.com/article/detail/3214127/ で。


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