霊魂を信じずに靖国神社に参拝するのは矛盾 [神道とスピリチュアリズム]
【2009年08月22日】-保守派の間では、「靖国神社には一切問題がない。問題どころか日本人はどんどん参拝すべきだ。」ということが共通認識になっている。
だが保守派の人達が神や魂を信じているかというと、必ずしもそうではない。漫画家の小林よしのりさんは『サピオ』の連載で、靖国神社を強く擁護した後、「神や霊魂などいない」と否定したことがある。
神や魂がいないのなら、靖国に参拝しても意味がない。霊魂は存在し、軍人の魂は靖国神社と関係があるから、参拝すると慰霊したことになるのだ。(死んだ人間の魂は墓や神社にはおらず、霊界にいるらしい。)神や霊魂を信じていないのに、靖国神社を擁護参拝するのは、残念ながら矛盾だ。
左翼ほどではないが、保守派の主張も一種のイデオロギーなのだ。魂の存否から考えて靖国の妥当性を判断したのではなく、左翼に日本の伝統を批判されたから、反発して「問題ない」と言い張っている面がある。結論は正しいが、結論に達するまでの考察が不充分だから、矛盾してしまう。
保守派の言論人の中で小林さんのようにはっきり否定する人は少ないが、はっきり肯定する人も知らない。神主は、神も霊も信じているようだ。
そうはいっても、神の実在を簡単に信じられるものではない。それについては、回を改めて書きたい。