日本郵政の社長は郵政省の出身者にすべきだった [政局]
【2009年10月25日】-亀井静香・郵政担当相が大蔵事務次官だった斎藤次郎氏を日本郵政の次期社長に決めたので、メディアも国民も「従来の天下り批判と矛盾する」と反対している。
「民営化」という言葉も使いたくないが仕方なく使うことにすると、亀井大臣が想定している郵政民営化の見直しは官業に戻すことのはずだ。そうなら、元役人を責任者に据えるのはそれほどおかしくない。天下りには違いないが、役所だから民間人より役人の方が向いているとも考えられる。
ただそれが大蔵省の元役人であることが問題だと思う。元々郵政省の業務だったのだから、郵政省や総務省の出身者の方がよかった。大蔵省の出身者が社長になると、財務省の権限が強まってしまうだろう。財務省は大蔵省の時代から、郵便貯金も自分たちの管理下に置きたいと思ってきたらしい。この人事の問題点は役人であったことではなく、大蔵省の出身者であることだ。
それなのにメディアも一般国民も「民主党は今まで天下りを批判してきたから、矛盾だ」と怒っている。マスコミは何かにつけて天下りを槍玉に上げるから、一般国民は天下りを絶対悪のように思っている。
役人が特殊法人などの幹部にならないと、困ることもあると思う。また手にする報酬が少なければ、天下りはそれほど悪くない。メディアは天下りに対する不満を煽っているが、日本人は冷静に考えた方がいい。
メディアは役所自体も敵視する。「非効率で無駄が多いから、なるべく民間に任せるべきだ」などと言う。これも偏っている。確かに無駄はあるが、必要なこともする。企業も不正をするから、民間に任せれば万事うまく行く訳でもない。報道が偏っているのは、日本を潰したいからだろう。
・新聞記事
新聞各紙は10月22日付の社説で斎藤起用を取り上げたが、似たり寄ったりの内容で詰まらない。ただ毎日は、「斎藤氏の経営手腕は不明だし、郵政について発言をして来なかった」と大事な点を指摘した。
日刊ゲンダイは22日付の記事で、亀井の狙いを推測した。「民主党は財政投融資を復活させ、郵政の資金を国債の購入や中小企業の救済に使うつもりだ。それには財務省に睨みが利く斎藤氏が適任だ。」などと書いた。同紙は民主党に甘いから信じ切れないが、そうかも知れない。
驚いたことに日経は、21日付の社説で西川善文をかばい、「いじめに近い仕打ちで辞任を迫った」などと書いた。郵政の資産を売って一儲けしようとした者を追い出すのは当然だ。日経もデフレ陰謀の一味で、西川と裏でつながっているか。拝金主義に染まった新聞は潰れて当然だ。(敬称略)
・リンク
日刊ゲンダイ : http://news.livedoor.com/article/detail/4414086/