大学は入学が目的ではなく、勉強する場所だ [教育]
【2010年04月06日】-東大について3回書いた。
日本人の多くが、どの大学に通っているか、どこを出たかばかり気にするのは、学歴で能力を見ようとするからだ。大学入試を受けた時点では学力が高くても、その後落ちてしまう人もいるから、有名大学を出ていても学力の低い人もいる。
また入試の合否は総合点で行うが、教師として教えるのは1教科か2教科だから、総合点は高くても教える教科の学力が低ければ、教師としては評価が下がる。
根本的な問題は、殆どの日本人が大学を勉強する所と思っていないことだ。露骨な言い方をすると、学歴を作る場だと思っている。だからどこに入るかが最大の関心事で、大学で何を勉強するかは二の次だ。こんな風潮があるから、目的もなく東大を目指す高校生が出る訳だ。
いわゆる5月病に罹る人がいるのも、大学に入ることが目的で、大学で勉強することが目的ではなかったからだ。
異常な事態が40年くらい前から続いているのに、異常だと思う人は殆どいない。だから問題は決して解決しない。こんなことをしていると日本人の学力はもっと落ちてしまい、工業製品の質は下がってしまう。外国との競争に負けて、輸出が減る。
他のことでも、いい加減なことをしているから国力が落ちているのに、原因を見ないで結果だけ嘆いている人ばかりだ。どこまで落ちたら、根本原因を考えて、日本を立て直そうとするのだろうか。いつまでも気づかずに破滅してしまうのだろうか。