野党はビデオ流出の責任でなく、非公開こそ追及せよ [政策]
【2010年11月13日に掲載、14日に訂正】-海上保安官はまだ逮捕されていない。果たして機密の漏洩に当たるのか、捜査当局も判断に迷っているようだ。
保安官が海保の神戸庁舎にいるのは、警察が帰さないからだと思っていたが、12日付のサンスポには「自分の意志で留まっている」と書いてある。帰宅するとマスコミが騒ぎそうだから、庁舎に泊まるというのだ。
「逮捕や起訴は無理だ」という意見がかなりあるが、仙谷官房長官は何としても保安官を罰する気でいる。公務員が内閣の指示に従わなかったので怒っている面もあるだろうが、保身も要因のはずだ。
ビデオを YouTube に載せたことを犯罪にできれば、菅や仙谷が公開しなかったことは正しかったと司法も判断することになって、都合がいい。自分達の罪を糊塗するために、仙谷らは保安官を犯罪者に仕立て上げてしまうつもりだろう。卑怯だ。
ビデオは初めから公開すればいいのに、公開しないなら現場の人間が義憤に燃えて公開してしまった。それなのに、菅や仙谷は罪を全く自覚していない。菅は中身がないので、最近は「菅カラ」「空き菅」と揶揄する人までいる。
また、警察が機密漏洩の嫌疑で捜査しているのに、テレビが何度も衝突の場面を放映するのもおかしい。機密なのなら、政府は放映の中止を求めるべきだ。ボロボロだから、菅内閣のすることは支離滅裂になっている。
・仙谷の目くらましに荷担するな
野党は来週、馬淵国交相にビデオ流出の責任を問う腹づもりだ。自民党もみんなの党もビデオの公開を求めていたのに、変節したのか。
ビデオの非公開こそ責めるべきではないか。問題の核心は非公開なのだから、それこそ追及すべきだ。野党がそれを取り上げず流出の責任だけ追及すると、国会では非公開を批判することはなくなり、仙谷らの責任転嫁に荷担することになる。
もし保安官を立件したら、内閣支持率が下がることは必至で、菅内閣の終わりは近づく。
小泉純一郎なら自分の感情は抑えて、「国を思ってしたことだから罪には問わない」などと言って、処分はしても逮捕起訴は命じなかっただろう。菅や仙谷にそれだけの処世術があればいいのだが、どうか。(敬称略)
・リンク
http://www.sanspo.com/shakai/news/101113/sha1011130505009-n1.htm