SSブログ

就職内定率が最低なのは1996年以降のこと [*経済]

【2011年01月22日に掲載、23日に大幅改正】-18日テレビは大学生の就職内定率を報じたが、「過去最低の68.8%だった」と言うから、また暗い気持ちになった。だが新聞は大抵、「1996年以来で最低だ」と書いた。

 戦後最低ではないし、ましてや明治以降最低でもない。テレビはどうして「ここ15年で最低」と言わないのか。無責任極まりない。

 昨日ここまで書いたが、今日になってウェブ・サイトでテレビ・ニュースを調べてみたら、NHK、日テレ、テレ朝は「調査を始めた1996年以来最低」などとも書いていた。フジはテレ朝よりずっと長いのに、調査の開始時期に言及していない。TBS はもう掲載をやめてしまった。

 テレビが「過去最低」と何度も言ったことは確かだが、「1996年以降の調査」という表現は私が聞き落としたようだ。字幕しか見なかったのだろう。

 そうは言っても「過去最低」という言い方は大きな誤解を生むから、やめるべきだ。1995年までは調査をしていなかったのも不思議だ。

・リンク
http://www.nhk.or.jp/news/html/20110118/t10013465761000.html
http://news24.jp/articles/2011/01/18/07174351.html
http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/210118018.html

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00191412.html
 

ブログランキング・にほんブログ村へ

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

就職内定率が低いのは、学生が大企業に固執しているから [*経済]

【2011年01月22日】-前回のエントリーの最後で、毎日小学生新聞の記事を批評したが、その記事にはそのあと「志望者が少ない中小企業は人手不足が起き、人材集めに四苦八苦しています。」と書いてあった。

 どうもこれが学生の就職内定率が低いことの本質のようだ。大学生は大企業志向が強く、中小に目を向けないから、就職が決まらないようなのだ。単純明快なことだが、一般メディアははっきり言わない。

 大企業の採用数は以前に比べて減っているのに、学生の側はそれに対応せずに、「このくらいの大学だから、これくらいの企業にどうしても入りたい」と思っているのだろう。

 それこそがミスマッチなのに、毎日小学生新聞などは「『即戦力』を求める企業側と、単純に有名・大企業を志望する学生との『ミスマッチ』が起きているとも言われます」と歪曲するのだ。

・『サピオ』と読売は合格
 「学生の大企業志向が就職難を生んでいる」という見方は、雑誌の『サピオ』で去年初めて見たが、他のメディアでは見たことがなかったので、信じられなかった。

 読売新聞も1月1日付の「就職氷河期なのに『人材確保できず』…北海道」という記事に次のように書いた。

「企業の従業員数別に大学・高専・大学院卒の充足状況をみると、従業員20人未満の38・1%、20~30人未満の企業の55・6%が『充足できなかった』と回答。一方、100人以上で『充足できなかった』と答えたのは17・9%にとどまっており、『学生の間には大企業志向が強く、地方や小さな企業に目を向けないケースもある』(道内私大就職担当者)との声も出ている。」

 この数字によって、北海道の学生が中小企業を避けている様子がはっきり分かる。学生は中小企業も選択肢に入れるべきだ。大手は採用数を減らしたが、中小企業は減らしておらず人手不足に陥っている。

・核心を突かない毎日と産経
 一方、毎日新聞は18日付の夕刊で中小企業の合同説明会を取り上げたが、学生の大企業志向をはっきりとは指摘していない。次のようにあるだけだ。

 「知名度がなく、大学で求人票を出しても学生が集まらないので参加した。中小企業のことも知ってほしい。」(企業の担当者の話)

 「中小企業にも業績を上げている企業は数多い。今からでも学生は視野を広げてほしい。」(明大職員の話)

 産経新聞は1月20日付の「主張」で就職難を取り上げたが、「大企業志向」には一言触れただけだ。

「大学生の就職内定率は、昨年12月1日時点で過去最低の68・8%にとどまった。新卒採用の抑制や学生の大企業志向などが要因に指摘されるが、新卒者の働く場所を確保・創出するための労使協議が不可欠だ。」

 毎日と産経の記事にも学生の大企業志向は出ているが、はっきりとは書いていない。これではよく分からない。普通の新聞がごまかして、小学生向けの新聞が核心を突くとはどういうことなのか。

 メディアが「学生は選り好みしないで、中小企業に行くべきだ」と言えば、学生は考えを変えるだろう。それなのに、「中小企業と学生を結び付ける対策が必要だ」(読売)などと言う。メディアが解決を図るのが一番効果的なのに、役所にやらせるつもりだ。

 政治家の失言などでは大騒ぎをするが、肝心なことは仄めかすだけだ。余りに無責任だ。読売は「即戦力」も持ち出した。

 学生の就職難は完全に定着したテーマで、耳に胼胝(たこ)ができるほど聞かされている。就職難のニュースも不安を呼び、景気を悪くすると思う。疲れている時に、就職相談会などのニュースを聞くとゲッソリする。

 間違いではないが、部分的一面的な報道は誤解を生む。本質を突かず、不安を煽るようなニュースばかり流すのは問題だ。就職に関する中途半端な報道も、景気を悪化させるための陰謀ではないのか。
 

・リンク
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/syuukatsu/snews/20110103-OYT8T00267.htm
http://mainichi.jp/life/job/news/20110118dde041020010000c.html
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110120/biz11012003130039-n1.htm

ブログランキング・にほんブログ村へ

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。