The Tsunami and the Cherry Blossom は『津波と桜』と訳せ [英語学]
【2012年02月29日】-イギリス人の女性監督は東日本大震災の記録映画として『津波そして桜』を作ったが、それをアメリカの映画芸術学アカデミーは1月末アカデミー賞の候補にノミネートした。
だが昨日の発表では、短編ドキュメンタリー賞の受賞を逃した。メディアはかなり大きく扱った。
この邦題は不自然だ。『津波と桜』のはずだ。「そして」は文や節を結ぶことが多く、名詞をつなげることはあまりない。
「英語の and を直訳したのではないか」と思っていたが、原題はやはり The Tsunami and the Cherry Blossom だった。
and には「そして」という訳語があるが、名詞と名詞をつなぐ場合は「と」と訳すのが普通だ。cats and dogs は「猫と犬」であって、「猫そして犬」ではない。
監督はイギリス人だから、うまく日本語に訳せなかったのか。それとも日本人が「津波だけでも桜だけでもなく、両方なのだ」と強調したいから、わざと「そして」と訳したのか。いずれにしても不自然な訳語だ。こんな誤訳をそのまま言うメディアの見識を疑う。
最近、政党の「たちあがれ日本」が英語の名称を The Sunrise Party of Japan としていることを知った。sunrise は「日の出」の意味だから、「たちあがれ」とは違う。
大多数の日本人は、国語も英語もちゃんとできないのだろうか。
・参考資料
http://thetsunamiandthecherryblossom.com/