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16世紀以降の英語を「近代英語」と言う理由 [英語学]

【2011年05月30日】-Old English を「古英語」と訳すのはこなれないと書いた。「古い英語」は意味が通るが、普通の英米人はMiddle English をおかしな言い方と思うだろう。また10世紀頃の英語をOld Englishと言って、500年前からの英語をModern Englishと表現するのは合わない。

 実は100年くらい前までは最近の英語をNew Englishと言っていた。「古い英語」と「新しい英語」なら、辻褄が合う。だが500年前の英語を「新しい」というのも奇妙なので、Modern Englishと言い替えたのだろう。

 ドイツ語では今でも「近代英語」をNeuenglisch(ノイ・エングリッシュ)と言っている。英語に訳せばNew Englishだ。英語の歴史を3期に分けるのは、ドイツで始まったのかも知れない。

 19世紀には、言語研究はドイツ語圏が一番盛んだった。英語の研究もイギリスより進んでいたようだ。古い英語を読める人はイギリスの方が多かったろうが、研究や分析はドイツの大学の方が進歩していたようなのだ。不思議なことだが、あり得ないことではない。

 またModern Englishを「現代英語」でなく「近代英語」と訳すのは、16世紀は近代だが現代ではないからだ。「ごく最近の英語」「数十年前からの英語」と言いたい時は、Contemporary EnglishやPresent-day Englishと言う。

 「古高ドイツ語」や「中高ドイツ語」もこなれない訳だ。ドイツ語ではAlthochdeutsch, Mittelhochdeutschと言う。ドイツ語では複合語は続けて書くので分かりにくいが、Alt-hoch-deutsch, Mittel-hoch-deutschと分かれる。

 altはoldのこと、hochはhighだから語形は英語に似ている。読み方は「アルト・ホーフ・ドイチュ」「ミテル・ホーフ・ドイチュ」だ。

・参考資料
http://en.wikipedia.org/wiki/History_of_german#High_German
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E4%B8%96

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