デフレ陰謀が失業者を増やしている [*経済]
アマゾンの「森永卓郎著『日本経済「暗黙」の共謀者』」に書いた書評
【2005年10月02日】-びっくりする内容だ。今の不景気は、企業、日銀、エコノミスト、ハゲタカ・ファンドなどが、自らの利益のために引き起こしていると言うのだ。特に外資のハゲタカ・ファンドはデフレにして、資産価値を落としてから買い取り、インフレになったら高く売って、儲けようとしているという。信じられない話だが、本当だと思う。10年くらい前からエコノミストが、不良債権の処理を執拗に主張してきたのは、景気を悪化させたかったからだろう。
だが、企業や金持ちが不景気を望んでいるというのは、勘ぐりだと思う。企業は、賃下げができるようになって、喜んでいると著者は言うが、売り上げが落ちて、企業は苦しんでいる。金持ちは、不動産の価格が落ちて、買いやすくなり、喜んでいるとあるが、そうとは限らない。金持ちが既に持っている不動産も、安くなった。全体的に勘ぐりの多い本だが、ハゲタカなどがデフレを画策しているという主張は、正しいと思う。
この本が出て、4年近く経とうとしているのに、共謀に気づく人が殆どいないのは、どういう訳か。日本には、解雇されても深く考えずに生きている人が多いのだろうか。政治家や役人は、無責任だから、騙されたことに気づいても、改めないのだろうか。
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