自民党よ、選挙で負けたくないなら、政策を考えよ [政局]
【2009年06月30日】-先週から自民党内では「麻生降ろし」が強まっている。「麻生首相のもとでは選挙を戦えない」と考える衆議院議員が、総裁選挙を前倒しして、新しい総裁のもとで総選挙に臨もうとしているのだ。
テレビも、昨日29日反麻生派が会合を開いたことなどを大袈裟に伝えて、過熱気味だ。
議員にもテレビにも欠けていることがある。それは政策だ。議員は自分の当落ばかり気にして、どんな政策を掲げたら日本をよくできるか、選挙民に支持してもらえるか考えていないようだ。こんな体質も自民離れの原因だろうに、それに気づいてもいない。深刻だ。
議員は完全に浮き足立っているのに、テレビはそれを諫めるどころか、過剰な報道で助長しているように見える。
政治家を批判するのは大好きなのに、肝心要の批判はしない。全くどうかしている。日本を衰退させたいから、わざと指摘しないのだろう。
・保守メディアも片手落ち
活字メディアも、自民党の政策不在や官僚追随体質を忘れている。保守派のメディアでは去年から、民主党政権の危険性を訴えている。「政権を取ったら、夫婦別姓、外国人参政権、ジェンダーフリー教育などを実施するだろう。それでもいいのか。」と警鐘を鳴らしている。
だが民主党に期待が集まっているのは、今の自民党が駄目だからだ。確固たる信念がなく、役人の言いなりになる。特殊法人に金を注ぎ込み、増税を画策する。
こんな体たらくだから、自民党は支持を失っている。決して民主党の政策が評価されている訳でない。だから、民主政権に反対なら、自民党の政策不在や官僚追随体質こそ批判しなければならない。
自民党は一応、政策を提示しているが、どうでもいいことが多いし、曖昧だ。選挙公約に世襲制限を入れようとしているが、それを望む有権者はあまりいないだろう。2世3世の議員があちこちで誕生しているのは、世襲に反対ではない有権者がかなりいるからだ。
首相は25日、日本記者クラブで会見を行い、「安心社会を実現したい」などと述べた。こんな抽象的な文言で自民党を見直す人はまずいない。
自民党はどうして支持を失ったのか、考えようともしていないようだ。これでは党勢が回復する見込みはない。下野したら反省せずに、もっと狼狽して国民に見放されるのではないか。
一方、民主党はしたたかだ。反対論の強い夫婦別姓や外国人参政権には言及しない。警戒心を起こさせないようにしているはずだ。
選挙も戦いなのだから、作戦の上手い方が勝つ。自民党の議員は、総裁の人気に頼ることばかり考えず、しっかり作戦を練るべきだ。
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