民主党を大勝させると、財政赤字が増えそうだ [政局]
【2009年08月28日】-18日に選挙戦が始まったが、大通りの近くに住んでいるので、選挙カーの音がうるさい。毎日同じ所で名前を連呼しても効果が薄いと思う。裏通りには行かないようだから、そっちも走った方がいい。
その選挙の情勢は世論調査によると、民主党が大躍進するようだ。「320議席を超える」という調査もある。衆議院の議席(定数)は480だから、過半数は優に超えて3分の2だ。これだけ議席が多ければ、どんな法案でも成立させられる。社民党などと連立を組む予定だし、参議院でも第一党だ。独裁体制とまでは言えないが、民主党が好きなようにできることになる。恐ろしい。
日本人は全体を考えることができないのか。幾ら自民党が不甲斐ないとしても、民主党をこんなに勝たせたら、後で困ると思わないのだろうか。前回の2005年9月の郵政選挙では自公の与党が大勝して、327議席も獲得した。民主党は113議席だった。
与党が大勝したから、野党が反対しても与党は強行採決ができた。今度は民主党が大勝利を収めたら、正論を押し切って強行採決をするだろう。民主党に1度やらせてみたいとしても、大勝させたら危険だと思わないのだろうか。日本人の3割くらいは、結果を考えずに自分の好みを押し通す愚か者なのか。
前回の衆院選で与党が野党の3倍の議席を獲得したといっても、以前のエントリーに書いたように、与党に投票した人が民主党に投票した人の3番いた訳ではない。今回も民主党に投票するつもりの人は、そんなに多くないのだろうが、小選挙区では死票が多くなるから、大勝してしまいそうだ。
・民主政権で財政破綻か
選挙公報で民主党の公約を読んだら、驚いた。いわゆるバラマキだらけなのだ。(「バラマキ」という言葉は、左翼マスコミがけなす時に乱用するから嫌いだが、仕方なく使う。)
民主党の公約には、子供手当、高校授業料の無料制、大学奨学金の拡充、月7万円の最低保障年金、農家の所得補償、高速道路の無料制、中小企業の法人税率の引き下げ、月10万円の求職者手当と、国民にお金を渡すことを羅列した。知っていたことが多いが、法人税の減税は初めて聞いた。
予算を見直して無駄をなくしても、以上の政策をまかなえるほど捻出できるだろうか。役人は不祥事をリークしたりして、削減に抵抗するだろう。確たることは言えないが、厳しいと思う。
民主党はどうしても政権を取りたいから、有権者の機嫌を取ろうとして、補償や手当を並べたのだと思う。だから、すべて実行する気はないだろう。役人が抵抗してできない政策もあるだろう。うまく節約できなくて、断念する施策もあるに違いない。
だが節約した分は全て補償などに使ってしまえば、財政赤字の額はそのままだ。節約できるだろうと思って金を出したが、後でできないことになれば、国債を発行することになる。せっかく無駄遣いやめても、財政赤字は増えるかも知れない。自民党はだらしがないが、民主党を大勝させてはならない。バランスを考えるべきだ。
・他の政党の公約
一方、自民党は選挙公報に、やる気のみなぎる文章を書いたが、具体策は一切ない。ウェブ・サイトでは1ページ目に「安易な政権交代は危険です」などと書き、3ページ目でやっと具体策を載せた。政策はあまり言いたくないようだ。やる気がないからだろう。
余談だが、国民新党は「祭りの復活で地域再生」などと書いた。代表の綿貫さんは神主の資格を持っているから、祭りを持ち出したのだろう。神主だから、祭りが果たしてきた役割を熟知しているのだろう。この人がいつも泰然としているのは神を信じているからかも知れない。(秋祭りは元々、収穫を神に感謝するために行うから、都市部では意味を失った。)
10年くらい前、月刊『文藝春秋』が当時の小渕首相に関する論文を載せ、「若い頃は文学が好きで、まだ太宰治の初版本を集めている」と書いてあったので、意外に思った。メディアは失言や不祥事はしつこく取り上げるが、政治家の経歴や人となりはめったに取り上げない。
本題に戻ると、30日の投票で民主党を大勝させるのは危険な賭だ。左翼政策も駄目だが、補償や手当で財政赤字を増やし兼ねない。民主党に投票するつもりの人は、ぜひ考え直してほしい。自民党を下野させることが必要だとしても、民主党に大勝利を与えることは危険だ。日本の将来に禍根を残すと思う。
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