四谷学院よ、東大がそんなにいいか [教育]
【2010年03月30日】-大学受験の予備校は、2月からテレビや新聞で頻繁に宣伝する。4月に新学期が始まるので、それに合わせて学生を募集する訳だ。
数年前から四谷学院という予備校も、この時期広告を大量に出す。テレビ・コマーシャルにもポスターにも「なんで、私が東大に!?」と書いている。初めて見た時は「うまいコピーだ」と思ったが、何年も見せていると飽きてきた。
また不快に思ってきた。「そんなに東大がいいか。入ることが目的か。大学で何を学ぶかが大事じゃないか。」と思い始めた。
学生時代、東大生数人と話したことがあるが、大学に満足している者は一人もいなかった。「こんな大学のために、あんなに勉強したのか」と言う男までいた。
東大が日本一の大学と言われ難易度が高いから、目指す者が多いが、教育内容も一番とは限らない。入試の難易度と教育の程度は違う。
それに偏差値は東大が全体的に一番高いとしても、学部によって違う。京大や早稲田も難しい。早稲田の政経は東大の文Ⅲより偏差値が高いかも知れない。東大が群を抜いて難しい訳ではないのだから、東大ばかり取り上げるのは不当だ。
それなのに学部は考えず、大学名だけで判断するのは浅はかだ。四谷学院だけがそういう考えなのではなく、日本人全体がそうだ。大学名で判断し、学部や学科は考えない。
四谷学院の広告を見せられても東大生や卒業生はいいが、それ以外の人は不愉快だろう。東大を落ちた人は怒っていると思う。小さなポスターが駅の自動改札機にまで貼ってあるから、しつこい。
予備校以外も東大を商売に利用している。出版社は『東大生が教える英語』といった参考書を出す。予備校や出版社が「東大は日本一」という幻想を振りまくため、勉強するつもりはないのにプライドの高い人間は東大を目指して、時間やエネルギーを無駄にする。事実を歪めていいことはない。
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