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「出向だから天下りでない」という屁理屈を許すな [政策]

【2010年07月23日に掲載、25日に加筆訂正】-民主党は天下り根絶を選挙公約にしていたが、既に役人に屈服して天下り容認に傾いたようだ。

 政府は6月22日「退職管理基本方針」を閣議決定したが、そこで国家公務員が独立行政法人に出向することを認めた。出向は前の組織に籍を置いたまま一時的に他の組織で働くことだ。高級官僚だった者が独法で働く場合、「出向という形だから天下りではない」と強弁する訳だ。役人は抜け道を探し出した。狡猾だ。

 天下りをしても仕事をするのならいいが、独法の理事になるようなので給料をもらうだけだろう。給料は余り下がらないようだ。出世競争に負けて外に出るのに、同額の月給を求めるのはずうずうしい。また役所に「高位の専門スタッフ職」を新設するが、これにもきっと仕事はない。

 役人の策謀により天下りは続くことになった。民主党も自民党のように役人に完敗したのだ。

・文書は建前ばかり
 「退職管理基本方針」はインターネットで公開しているから、読んでみたが呆れた。まず冒頭で「政府の当面の課題は天下りの斡旋を根絶することだ」と述べ、そのあと延々と「天下りはやめる」という趣旨のことを書いてある。「適切な措置を取る」という曖昧な表現も頻出する。

 だが最後に別添があり、「役員出向」と「休職出向」を定めた。つまり文書全体では天下りを否定しながら、例外として出向を持ち出して、天下りを存続させようという目論見なのだ。

 重大な閣議決定だが、メディアの扱いは実に小さい。グーグル・ニュースで検索するとたった15件しかなく、すべて活字メディアだ。

 6月下旬、テレビ・ニュースはワールド・カップで騒ぎ、角界を攻撃していた。役人の策動こそ徹底的に批判して、撤回させるべきだった。
 

・参考資料
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100621/plc1006210038001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100722/plc1007222147019-n1.htm
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/781
http://gendai.net/articles/view/syakai/125189

総務省「退職管理基本方針」:
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02jinji02_02000039.html

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