受験生にTOEFLを課して、教育を混乱させるな [英語教育]
【2013年04月21日】-また、大学入試と公務員試験にTOEFLを取り入れる案について書く。
学生や公務員志望者にTOEFLを受けさせればそれだけで日本人の英語力が伸びるのならいいが、話しはそう簡単ではない。試験を受けただけでは学力は上がらない。
試験を受けさせれば勉強するから、英語力が高まると思っているのだろうのだろう。学校の英語教育を見直さずに、試験を受けさせて学生に勉強を強いるのは無責任ではないか。
子供を勉強させる対象としか見ていない。犬や馬を調教するな感覚で教育を考えている。発想が根本からおかしい。
日本は15年くらい前から英語教育を改革してきた。まず中学の英語の授業は日本人と外国人教師が共同で行うようにした。高校には英会話の時間を設けた。2年前からは小学5・6年生が週に1回英語を学ぶようになった。センター試験も問題を改良してきた。
そのような改革がどうだったのか。よかったのか、悪かったのか検証してから、次の対策を考えるべきだ。検証していない段階で、次の改革を検討するのはおかしい。
学生は試験がないと勉強しないものだが、それを当然のこととして大人が試験を変えて勉強させようとするのも信じられない。子供の実態を是認して負けを認めるようなものだ。
日本の教育行政では、入試を変えてその下の学校を改革しようとすることがあるが、根本的におかしい。学校教育を歪める。今でも受験科目ばかり勉強する子供が多いのに、その傾向を強めてしまう。
TOEFLはスピーキングも課すから高く評価するのなら、国公立大の2次試験にスピーキングを加えればいい。
受験制度を変えることは重大なことなのに、大して検討せずに思いつきを押し通そうしているのも問題だ。
今までも英語教育の改革と称するものはひどかったが、今回は特に雑で乱暴だ。今までで一番ひどい。
・文法を体系的に
日本人の英語力を高めるにはまず授業のやり方を考えるべきだが、自民党や政府は試験を受けさせることばかり考えている。
このブログでは何度も書いたように、日本では英文法を体系的に教えていない。この点こそ改善すべきだ。文法が分かっていないから、会話ができないのだ。