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日本語のできない英語学者たち(中) [英語学]

【2012年07月07日に掲載、08に訂正】-「太郎は英語ができる」「次郎はフランス語がうまい」のような言い方は言語学ではちょっと有名だ。三上章が数十年前「象は鼻が長い」を例にして、「日本語に独特の構文だ」と主張したからだ。

 だから高野氏も「~は~が分かる」という構文は知っているはずだが、「太郎にラテン語が分かる」と書いた。

 「~に~が分かる」と言うことはあるが、「太郎がラテン語が分かる」とは決して言わない。非文だ。だが高野はそのような例文も載せている。

 243ページの脚注で、斎藤衛(1982)の挙げた例文を引用している。「夏がビールがうまい」は非文だ。「夏はビールがうまい」とは言うが、「夏がビールが~」とは決して言わない。「が」も「は」も主語を表す助詞だが、同じように使える訳ではない。

・「ガガ構文」まで
 日系人のReiko Vermeulenは2002年にGa ga constructions in Japaneseと題する論文を書いた。「日本語におけるガガ構文」という意味だ。

 例文を幾つも挙げている。「ウサギが耳が長い」はまだいいが、「あの事故がたくさんの日本人が死んだ」はとんでもない。幼稚園児でも言いそうもないことだ。「あの事故では~」と言うのだ。

 日本語に「~が~が~だ」という構文はないのに、勝手にあることにして分析らしきことをしている。恐ろしい。(Vermeulenはきっとオランダ人の苗字で、「ベルムーレン」と読むのだろう。)

・大御所も
 南山大学の斎藤衛(まもる)教授は、生成文法の分野では大御所なのだが、この程度だ。どうなっているのか。言葉遣いがおかしくて、しっかりした分析ができるのか。

 生成文法の論文は理屈っぽくて小難しい。わざと難しく書くこともある。この人達は難解な文章ばかり書いているうちに、言語感覚がおかしくなってしまったのだろう。

 自分の健康管理ができない医者のようだ。一部の生成文法の研究者は「医者の不養生」「論語読みの論語知らず」に陥っている。

・リンク
http://www.phon.ucl.ac.uk/publications/WPL/02papers/vermeulen.pdf

http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/LINGUISTICS/staff/saito_mamoru/pdf/saito-2006-Optional_A_Scrambling.pdf

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