英単語の読み方(2)=ex-を[iks]と読む場合と[igz]と読む場合 [英語学]
【2010年10月23日に掲載、24日に改訂】-前回のエントリーで、アクセントのない語頭の e は「イ」と読んだ方がいいと説明しましたが、ex- という接頭辞では x の読み方も二通りあります。つまり[ks]と無声音に読むか、[gz]と有声音に読むかの二通りです。
でも、ある程度法則があります。ex- にアクセントがある時は[eks]と無声音に読みます。たとえば、exercise では e にアクセントがあるので、[eksəsaiz]と、無声音に読みます。
またex- の後が子音の時は[iks]と無声音に読みます。expect やexchange がその例です。
ex- のあとに母音が来て、そこにアクセントがある時は[igz]と有声音に読むことが多いのです。exact や example では 次に a という母音が来て、そこにアクセントがあるので、[igzakt][igzampl]と、有声音に読みます。
・派生語にも
この法則は派生語にも当てはまります。動詞のexecute は語頭にアクセントがあるので、[eksikju:t]と無声音に読みます。「執行」という意味の execution は第1音節でなく、第3音節にアクセントがあるので、[eksikju:ʃən]と無声音です。
人を表す名詞の executive は第2音節にアクセントがあるので、[igzekjutiv]と有声音に読みます。
exhibit は動詞ですが、第2音節は母音で始まり、アクセントがあるので[igzibit]です。名詞のexhibition では第3音節にアクセントがあるので、xは無声音に読みます。
例外もあって、exit とexile は二通りの読み方があります。つまり[eksit][egzit]と、[eksail][egzail]があります。
まとめると
ex-にアクセントがある場合は[eks]:execute
ex-の次が子音と時は[iks]:expect
ex-の次が母音でそこにアクセントがない場合は[igz]:executive
この法則は ex- だけに当てはまるのではなく、人名のAlexander にも当てはまります。また、luxury が[lʌksjuəri]と読み、luxurious を[ləgzjuəriəs]と読むことも説明できます。
x はラテン語で[ks]と読んでいたので、元々は無声音を表していましたが、英語では次にアクセントのある母音が来た時だけ、有声音に読むようになったのでしょう。
なおex-は元々ラテン語で「~から」という意味の前置詞です。
この法則を知っていると、発音を覚えるのが楽になります。特に、execute や exhibit とその派生語の発音が覚えやすくなります。
英単語の読み方(1)=語頭の e をどう読むか [英語学]
【2010年10月23日に掲載、24日に改訂】-英語には e で始まる単語がたくさんありますが、どう読むか頭を悩ませることがあります。(語頭以外の e の読み方も大変です。)
英語では e を主に[i][i:][e]と三通りに読みますが、辞書でたとえば example などを引くと[igzæmpl][egzæmpl]と「イ」とも「エ」とも書いてあって、どっちを覚えたらいいか迷います。[i]だけや[e]だけが書いてある単語もあります。
結論を言うと、e にアクセントがある場合は[e]と読み、アクセントのない場合は[i]と覚えるのがいいと思います。アメリカ人の発音を聞くと、大抵そうです。英単語は数千語記憶する必要があるので、一つ一つ[i]か[e]か覚えるのは大変です。
e にアクセントがあって[e] と読む単語には、edit, educate, embassy などがあります。
一方、e にアクセントがなくて [i]と読むべき単語は、さっき上げた example のほかに、effect, election, employ, enjoy, entire などがあります。こっちの方がずっと多いはずです。
今回取り上げた単語は、フランス語やラテン語から英語に入ってきた単語で、接頭辞と語幹が結び付いた複合語です。every など英語固有の単純語は考慮に入れていません。