意味不明な和製英語がはびこる訳 [英語教育]
【2011年07月22日】-日本語に訳すと意味が通らない和製英語が氾濫しているのは、大半の日本人は英語を何かの記号やキャッチフレーズのように思っているからではないか。英米人が毎日生活に使っている言葉とは思っていないだろう。
中学生の中には、英文の意味を考えないで問題を解こうとする生徒がいる。「次の文を疑問文にしなさい」という問題があると、疑問文にはするのだが、成績の悪い生徒は知らない単語があっても調べないし、英文の意味を考えようともしない。指示の通りに疑問文にするだけだ。(意味を考えないで疑問文にするから、一般動詞の文でも文頭にbe動詞を置いてしまう。)
英語を英米人が毎日使う言葉とは思っていないようだ。数式を解くのと同じ感覚なのだろう。生徒が英語をそのように受け止めてしまうのは、教え方にも原因があるはずだ。塾ではまず英文を読ませるのではなく、初めから問題を解かせることが多い。また教師は問題の解答は求めても、和訳はめったにさせない。
・入門書でも
最近、英語が苦手な高校生に向けて作った問題集を何冊か見たが(日栄社の『高校英語基礎のキソ』など)、そこでも大抵英語を数式のように扱っていて驚いた。第1問が例えば穴埋め問題なのだ。これでは生徒は英語をコミュニケーションの手段とは見ないだろう。「試験に出るからやるもの」と思ってしまうだろう。
言語は自分の気持ちを伝え、相手の考えを理解するためにあるのだから、問題は訳読を基本にすべきだ。「次の英文を和訳しなさい」という問題で始めるべきだ。(長文ではなく1行の短文で。)和訳がちゃんとできれば、問題は殆ど解ける。
それなのに第1問が穴埋めで、次は書き換えで、その次は選択問題だったら、生徒が英語を意志疎通の手段と考えるのは無理だ。「高校や大学に入るための勉強」と思ってしまう。
学校の教科書は批判を受けるが、塾のテキストや市販の問題集にも問題がある。改革が必要だ。
和製英語が蔓延しているのは英語教育の失敗が原因 [英語教育]
【2011年07月22日】-和製英語は多いが、「なでしこジャパン」は特にひどい。「なしでこ日本」と訳しても意味をなさない。「なでしこチーム」か「チームなでしこ」または「ジャパン・チーム」と言うべきだ。アメリカでは、ワールド・カップに出場した女子サッカー・チームをTeam USAと言っている。
「なでしこジャパン」は公募して決めたらしいが、サッカー・ファンの知能もサッカー協会幹部の学力も驚くほど低い。
2004年のオリンピックに出場した野球チームは「長嶋ジャパン」と言った。「長嶋日本」では全く意味をなさない。「長嶋チーム」か「チーム長嶋」と言うべきだ。長嶋茂雄氏が脳梗塞で倒れ、監督を務められなくなったのに「長嶋ジャパン」と言い続けていた。異常だ。スポーツ・ファンは、意味をなさないことを平然と言い続けられる馬鹿なのか。
中学1年の英語も分からない無学者が国民の大半を占めているのなら、日本の衰亡は避けられない。
・英語教育
和製英語が氾濫しているのは、英語教育の失敗が原因だ。中学や高校の教師は、生徒に英語の基本をしっかり教えていないのだ。だが教師は和製英語に不快感を示すばかりで、自分の責任は感じていないようだ。生徒や親も成績や進学先は気にしても、英語力はあまり考えない。塾や予備校も、上位の学校に入れることを重視する。
マス・メディアはノーベル賞の受賞が少ないと批判するが、和製英語を撒き散らして研究者に迷惑をかけているのに、罪を自覚しない。足を引っ張っておいて、批判するのだからとんでもない。