GM 社長、トヨタ・プリウスを「オタクの車」と酷評 [*経済]
【2010年12月12日に掲載、14日に加筆】-アメリカのゼネラル・モーターズの CEO がトヨタ車をけなしたので、日米で記事になった。
ダニエル・アカーソンは10日「ワシントン経済クラブ」で講演し、トヨタのハイブリッド車「プリウス」を geek-mobile と評した。geek は元々「奇人」「変人」を表したと思うが、最近アメリカでは「オタク」「社交性が低い人間」といった意味で使うことが多い。
また mobile はここでは携帯電話などの携帯電子機器ではなく、automobile の略だ。英和辞典は「俗語」と注記している。全体として「プリウスなど買うのは特殊な人間だ」とけなしたわけだ。
アメリカの National Ledger はアカーソンの発言を「時代遅れ(antiquated)と批判した」と解釈した。
・日本メディア
日本のメディアは3社がこの件を取り上げたが、読売と日経は「オタクっぽい車」と訳した。意味がはっきりしない。これでは「オタクのように社交性のない車」とも取れる。「オタクが乗るような車」のはずだ。
分かりにくいと思ったのは私だけではないようで、「つらつら日暮らし」というブログには次のようにある。
「この『オタクっぽい』という意味が良く分からなかったのですが、なんだろう?『秋葉原がよく似合う』とか、『痛車がよく似合う』とか、ライトノベルに出て来そうだとか、二次元的なので東京都の条例で規制されそうだとか、そういう意味なのでしょうか?」と書いている。
元々曖昧な表現だった上に訳語が不適切なので、誤解を生みやすくなってしまった。
・反論
他にもアカーソンは「プリウスに乗ったところを見られたくない。シボレーはデザインがいい。」などと述べた。原文は I wouldn’t be caught dead in a Prius. The Chevrolet Volt actually looks good. だ。
誹謗に対してアメリカ・トヨタは「今までにプリウスは200万台も売れた。その顧客が全員オタクであるはずはない。」と反論した。
アカーソンが酷評したのには訳があって、GM は電気自動車の「シボレー・ボルト」をこれから発売する。そのためトヨタを攻撃したのだ。
だが GM は数年前に販売した電気自動車では大失敗をしたから、トヨタをけなす余裕はないはずだ。
GM は米国政府から援助を受けたので、現在役員の給与に制限がある。そこでアカーソンは「給与制限を撤廃して欲しい」とも述べた。全く反省していない。また失敗するだろう。
・参考資料
http://www.japantoday.com/category/business/view/gm-head-calls-toyota-prius-geek-mobile
http://www.nationalledger.com/lifestyle/article_272636463.shtml
http://blog.goo.ne.jp/tenjin95/e/4ce31453699c590119fe049ae3b9225c?fm=rss