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「リニューアル・オープン」も和製英語 [英語教育]

【2011年07月24日に掲載、26日に加筆訂正】-前のエントリーの終わりに、「オープンを勝手に『開店』という意味で使うのも、この語には名詞の用法がないことを知らないからだ。」と書いたが、openに名詞の用法が全くないのではない。「空き地」や「オープン・トーナメント」という意味でなら名詞の用法がある。だが、「開店」という意味はないのだ。動詞の「開店する」ならある。

 ところが日本では「オープン」を名詞としても使う。日本語では「開店」に「する」をつけて「開店する」と言うから、何となくopenにも名詞の用法があると思い込んでいるのだろう。英語で「開店」と言いたいのなら動名詞にしてopeningと言えばいい。

 「オープン」を名詞として使うのが間違いなのだから、「リニューアル・オープン」も和製英語だ。「新装開店」を訳してこう言っているが、英語のrenewalには「新装」「改装」という意味もない。「リニューアル・オープニング」と言っても、ちゃんとした英語ではない。

 「新装開店」は「新装してから開店する」の意味だが、「新装」と「開店」を英訳してただ並べても、英語にはならない。「新装」はrefurbishmentというが、refurbishment openingと言っても意味をなさない。

・「グランド・オープン」も
 また「グランド・オープン」も広まっているが、これも間違いだ。openは動詞だから、修飾する語はgrand という形容詞では駄目で、grandlyという副詞にすべきだが、grandly openは不自然な表現だろう。grand openingならある。

 このような思考法を教えなくてはならないが、大半の中学高校ではちゃんと教えない。大学でもめったに教えない。英語ができる者は極端に少なくて当然だ。

 「プレオープン」も和製英語だ。大きな英々辞典を引いてもpreopenという語は出ていない。数学の専門用語としてはあるようだ。一般的には使わない特殊な語を日本では多用しているのだ。

 マンション業界は特にひどくて、モデルルームを「プレオープン」してから「グランド・オープン」する。2回もオープンするのだ。間違いでも何でもいいから盛り上げて金を儲けようというさもしい根性だ。

 オープン・キャンパスも和製英語のようだ。「日本は馬鹿連合」と言っても誰も反論しないだろう。
 

・参考資料
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q117015181
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q118590096

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前置詞の前に名詞を置くのは無学者 [英語教育]

【2011年07月24日】-英語の専門家や真剣に勉強している人は和製英語を忌み嫌っているが、和製英語の問題性は様々だ。英米人はそう言わなくても文法的にあり得る形だから、許容できるものもある。一方、文法的に絶対にないので、断じて認められないものもある。

 英語には(フランス語やドイツ語にも)前置詞という品詞がある。日本語の助詞(「~に」や「~で」)に当たる語だ。実例を挙げると、at, in, onなどだ。

 日本語では名詞のあとに助詞を置いて、「日曜日に」などと言う。英語などヨーロッパ語ではon Sundayなどと名詞の前に前置詞を置く。前置詞の名の由来はこれだ。名詞の前に置くから前置詞(preposition)と言うのだ。(前置詞は元々副詞なので、ドイツ語などでは名詞の後ろに置く語も少しある。)

 だが時々Sunday on といった類の和製英語を見かける。on Sundayのつもりだろう。池袋のブルース・バーの看板にそう書いてあるのを見て、驚愕したことがある。Delta Blues Sunday onなどとあった。支離滅裂なので、意味を取るのに考えた。「日曜日はデルタ・ブルースをかける」のつもりだろう。Delta Blues on Sundayと書くべきだ。

 ブルースを一晩中かけているから、英語の歌が多いはずだ。英語の歌を散々聴いている店員が、こんな基本的なことも知らないのだ。英語でこんな語順は見たことがないはずだ。それなのに日本語に釣られて、いつもこんな恥晒しなことを書いている。軽蔑せざるを得ない。

・大企業も無学文盲
 零細企業だけが前置詞の使い方を知らないのかというと、そうではない。大企業も知らない。

 化粧品会社などはリンスを含んだシャンプーを売っていて、大抵「リンス・イン・シャンプー」と称している。これでは「シャンプーの中のリンス」は表すが、「リンスを含むシャンプー」は表さない。英語では「名詞1+前置詞+名詞2」という語順だと、前置詞は名詞2と組み合わさって、名詞1を修飾する。

 shampoo with rinse in it と言えば「リンスを含むシャンプー」が表せて文法的にも正しいが、英米ではtwo-in-one shampooかconditioning shampooと言うそうだ。conditionには「整える」という動詞の用法がある。ここではそれだ。

 東洋水産は2009年からテレビ・コマーシャルにSmiles for All と書き、「すべては笑顔のために」という訳語も添えている。この英語もどきは決してこの意味を表さない。「全員に笑顔を」という意味にしかならない。

 「すべては笑顔のために」と言いたいのなら、All for Smiles かEverything for Smileだ。前置詞はあとに来る名詞と組み合わさる。前にある名詞とではない。

 東洋水産の幹部は一流大学を出ているだろうが、英語の基本も身につけていないのだ。この和製英語は余りにひどいので、「ヤフー!知恵袋」に2件も質問が出た。

・品詞を覚えるべし
 企業だけでなく消費者も無学だから、こんな英語がはびこるはずだ。英単語を覚える時には品詞も一緒に覚える必要があるが、前置詞や従属接続詞は特にそうすべきだ。品詞を覚えないと使い方が分からない。openを勝手に「開店」という意味で使うのも、この語には名詞の用法がないことを知らないからだ。

 中学や高校の英語教育は完全に失敗している。文法ばかり教えているのではない。文法をろくに教えていないのだ。正反対のことを言っていたら、英語教育はもっと駄目になる。日本は馬鹿連合なのだろうか。

・参考資料
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_genres_of_the_blues
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1020872115

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1323860068
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1431960759

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意味不明な和製英語がはびこる訳 [英語教育]

【2011年07月22日】-日本語に訳すと意味が通らない和製英語が氾濫しているのは、大半の日本人は英語を何かの記号やキャッチフレーズのように思っているからではないか。英米人が毎日生活に使っている言葉とは思っていないだろう。

 中学生の中には、英文の意味を考えないで問題を解こうとする生徒がいる。「次の文を疑問文にしなさい」という問題があると、疑問文にはするのだが、成績の悪い生徒は知らない単語があっても調べないし、英文の意味を考えようともしない。指示の通りに疑問文にするだけだ。(意味を考えないで疑問文にするから、一般動詞の文でも文頭にbe動詞を置いてしまう。)

 英語を英米人が毎日使う言葉とは思っていないようだ。数式を解くのと同じ感覚なのだろう。生徒が英語をそのように受け止めてしまうのは、教え方にも原因があるはずだ。塾ではまず英文を読ませるのではなく、初めから問題を解かせることが多い。また教師は問題の解答は求めても、和訳はめったにさせない。

・入門書でも
 最近、英語が苦手な高校生に向けて作った問題集を何冊か見たが(日栄社の『高校英語基礎のキソ』など)、そこでも大抵英語を数式のように扱っていて驚いた。第1問が例えば穴埋め問題なのだ。これでは生徒は英語をコミュニケーションの手段とは見ないだろう。「試験に出るからやるもの」と思ってしまうだろう。

 言語は自分の気持ちを伝え、相手の考えを理解するためにあるのだから、問題は訳読を基本にすべきだ。「次の英文を和訳しなさい」という問題で始めるべきだ。(長文ではなく1行の短文で。)和訳がちゃんとできれば、問題は殆ど解ける。

 それなのに第1問が穴埋めで、次は書き換えで、その次は選択問題だったら、生徒が英語を意志疎通の手段と考えるのは無理だ。「高校や大学に入るための勉強」と思ってしまう。

 学校の教科書は批判を受けるが、塾のテキストや市販の問題集にも問題がある。改革が必要だ。

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和製英語が蔓延しているのは英語教育の失敗が原因 [英語教育]

【2011年07月22日】-和製英語は多いが、「なでしこジャパン」は特にひどい。「なしでこ日本」と訳しても意味をなさない。「なでしこチーム」か「チームなでしこ」または「ジャパン・チーム」と言うべきだ。アメリカでは、ワールド・カップに出場した女子サッカー・チームをTeam USAと言っている。

 「なでしこジャパン」は公募して決めたらしいが、サッカー・ファンの知能もサッカー協会幹部の学力も驚くほど低い。

 2004年のオリンピックに出場した野球チームは「長嶋ジャパン」と言った。「長嶋日本」では全く意味をなさない。「長嶋チーム」か「チーム長嶋」と言うべきだ。長嶋茂雄氏が脳梗塞で倒れ、監督を務められなくなったのに「長嶋ジャパン」と言い続けていた。異常だ。スポーツ・ファンは、意味をなさないことを平然と言い続けられる馬鹿なのか。

 中学1年の英語も分からない無学者が国民の大半を占めているのなら、日本の衰亡は避けられない。

・英語教育
 和製英語が氾濫しているのは、英語教育の失敗が原因だ。中学や高校の教師は、生徒に英語の基本をしっかり教えていないのだ。だが教師は和製英語に不快感を示すばかりで、自分の責任は感じていないようだ。生徒や親も成績や進学先は気にしても、英語力はあまり考えない。塾や予備校も、上位の学校に入れることを重視する。

 マス・メディアはノーベル賞の受賞が少ないと批判するが、和製英語を撒き散らして研究者に迷惑をかけているのに、罪を自覚しない。足を引っ張っておいて、批判するのだからとんでもない。

 表面と結果しか見ない人間が大半だ。日本が発展する訳はない。

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タグ:和製英語
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英語の教材は質が低い [英語教育]

【2011年07月14日】-久しぶりに中学生に英語を教える教材を見たら、質が低いので驚いた。内容は不自然だし、急に難しくなったりしている。

 そこで教材を考えてみた。受動態を習ったばかりの生徒が、能動態の文を受動態に変える問題だ。

1. John loves Mary.
2. Our teachers praise us.
3. White people killed many Indians.
4. Soseki Natsume wrote Botchan.
5. We eat much beef and chicken every day.

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タグ:英語 受動態
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立教の英語教員は『英和活用大辞典』に頼りすぎだ [英語教育]

【2011年07月14日】-前々回のエントリーで「東進の模範解答は間違っている」と書いたが、自宅にある58年発行の『研究社英和活用大辞典』をもう1度引いてみたら、make proof を含む例文が二つも載っていた。(以下『活用辞典』と略す。)

 英語では動詞を名詞形にして、その前にmake を置き、動詞の意味を表すことがある。discover(発見する)を名詞形にして、discovery (発見)にし、前にmakeを置いて、make discovery と言って「発見する」を表すようなやり方だ。

 1958年の『活用辞典』にmake proof が出ていて、心配になり、また図書館に行って1995年の『活用辞典』を引いてみた。そうしたら驚いた。立教の問題文に似た例文が載っていたのだ。

 問題文は
The information in the report was not enough to (  ) proof. だが、『活用辞典』には

The information in the folder didn't constitute proof.

が載っていた。問題文にそっくりだ。訳として「書類ばさみの中の情報は証拠にはならなかった」と書いてある。立教の先生はこの設問も『活用辞典』を参考にして作ったのだろう。

 だが1995年の『活用辞典』にmake proof は一つも載っていない。旧編の用例は削除したわけだ。make ~はわざわざ載せなくても分かるから割愛したのかと思ったが、make discovery やmake progress(進歩する)は載っていた。

 1995年の『活用辞典』を根拠にして、make proof は間違いだと決めつけてしまったが、make でもいいかも知れない。だが出題者は1995年の『活用辞典』を参考にして問題文を作ったようだから、constituteの方がいいと思う。出題者はそれを正解にしているはずだ。

・意味内容
 なお、どの動詞を取るのかという連語(コロケーション)の観点からだけ考えるのは不充分だ。意味も考慮する必要がある。

 58年の旧編にはmake proof of a person's courage(skill, talent)という用例が載っていて、訳は「人の勇気(など)をためして見る」となっている。make proofは「証明する」を表すはずだから不思議だ。
 

(make proofを含む例文を削除したのは、旧編の用例は文全体でなく部分的だし、例文として信憑性が低いと判断したからだろう。訳文もよくない。)

 問題文では「その報告書の情報は証明するには不充分だった」とは考えにくい。何を証明するのか分からないからだ。「証拠を形成するには不充分だった」と考えた方が自然だと思う。これも何の証拠か分からないが。

 だから正解はやはりconstituteに違いない。

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立教の先生は『英和活用大辞典』を使って入試問題を作っているようだ [英語教育]

【2011年07月12日】-前のエントリーで『新編 英和活用大辞典』を挙げたが、これは1995年に研究社が出版した。「新編」を冠しているくらいだから旧編があって、それは1958年に出た『研究社英和活用大辞典』だ。こっちは持っている。高校生の時に買った。旧編でもproofを引いたが、constituteを含む例文は載っていなかった。

 立教の問題には次もある。
These games will ( ) the friendship between our two peoples.
イ attach ロ bond ハ cement 二 stick

 「このような試合は私達両国民の友好関係を強めるだろう」の意味だろう。cement the friendshipは新聞や雑誌で何度も見た。「セメントで固めるように強固にする」の意味だろう。

 解答はハだ。東進の模範解答でもそうなっている。だがcementを見ると「セメント」を思い浮かべてしまって、これを選ぶ受験生は少ないと思う。

 ところで1958年の『英和活用大辞典』を引いたら、cement
the friendship between the two peoplesという例文が出ていた。立教の先生はこの辞書を参考にして問題を作ったと見える。1995年の『英和活用大辞典』にこの例文は載っていなかった。

 peopleには「国民」という意味があるが、ちょっと古めかしい。今では大抵nationと言う。古めかしい表現を使ったから、58年の同書を参考にしたという推測が強まる。

 ちなみにcementは名詞の時も動詞の時も、第2音節の「メント」にアクセントがある。発音をしっかり覚えないと、リスニングができない。

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東進ハイスクールの模範解答に誤り発見 [英語教育]

【2011年07月12日】-予備校の東進のサイトで、立教大学文学部の今年入試問題を見た。3は空所補充問題で、その4には次のようにある。

 The information in the report was not enough to (  ) proof.
イ constitute ロ create ハ make 二 take

 「その報告書の情報は、証拠を形成するには不充分だった」という文を作らせたいのだろう。「証拠を形成する」は分かりにくいが、平たく言うと「証明する」のことだと思う。

 英語では、名詞が目的語になっている時どんな動詞と結び付くか、大体決まっている。(国語でもドイツ語でも大体決まっている。)

 constitute proofという表現を英字新聞などで見た覚えがあるが、自信がなかった。constituteは「構成する」「形成する」の意味だ。

 英和辞典や英々辞典を数冊引いたら、proofが取る動詞として
give は出ていたが、この選択肢の中の語は挙がっていなかった。

 東進の模範解答ではハのmakeになっている。makeにも「構成する」の意味があるからそうかも知れないと思っていた。

 昨日区立図書館で研究社の出している『新編 英和活用大辞典』を引いてみたら、proofの項にconstitute proofを含む例文は書いてあったが、makeは挙がっていなかった。東進の模範解答は間違っている訳だ。

 英和辞典にも載っていない表現だから、予備校講師にも難しい。受験生はできなくても仕方がない。

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マスコミはまた誤訳。「ボズワース特別代表」でなく「特使」だ。 [英語教育]

【2010年11月23日】-北朝鮮が韓国に攻撃を加えてしまったので、大変だ。金正日が三男に権力を委譲するに当たって、内外に力を誇示したのかも知れない。内部の事情のために外国を攻撃するのだから、とんでもない国だ。

 マス・メディアはこれから数日これで騒いで、尖閣事件は忘れてしまうだろう。既にフロッピー改竄事件は忘れている。

 ところで昨日からその北朝鮮について、アメリカの「ボズワース特別代表」という人物がニュースに出ている。昨日は前原外相と会談した。

 アメリカの連邦政府には通商代表部という部門があって、その責任者は代表と言うが、ボズワース氏が何の代表なのか分からない。不思議に思っていた。

 今日、Japan Today で U.S. envoy says six-party talks on N Korea won't resume という記事を読んだら、謎が解けた。The U.S. special envoy on North Korea, Stephen Bosworth と書いてあった。

 special envoy を「特別代表」と訳しているのだ。envoy は「使者」のことだから、「特使」と訳すべきだ。そうなら意味が通る。辞書にはちゃんと「使者」と書いてあるのに、どうして左翼マスコミは「代表」と訳したのか。

 グーグル・ニュースに「ボズワース特使」と入力して検索してみたら、ロイターだけがそう訳していた。産経とテレ朝は見出しには「米特使」と書いた。

 こんなのを調べているうちに、メディアはアメリカのプリチャード氏に関して「元朝鮮半島和平担当特使」という肩書きを使っていることに気がついた。

 この原語を調べたら、AFP の記事などにPritchard, a former US special envoy on North Korea policy とあった。同じように special envoy なのだ。同じ語を二通りに訳す。頭が悪い。

・他にも和製英語
 今日は他にも英語の間違いを見た。広末涼子さんが Candle Juneさんと結婚すると聞いたが、「ジューン」と読むのだろうと思った。英語では June を「ジューン」と読むからだ。ところが「ジュン」と読むのだそうだ。

 芸名であっても日本人の名をアルファベットで書くのはおかしいし、ローマ字で書けば Jun なのだから June は全く駄目だ。こっちも頭が悪い。

 それから前のエントリーで引用した滝口笑さんのブログは「女性の HAPPY を応援します」と題している。happy は形容詞だから、目的語にできない。幸福実現党の限界か。

 中学の英語もできない人ばかりだから、たとえ景気がよくなっても日本が立ち直るのはとても難しい。

・リンク
http://www.japantoday.com/category/politics/view/us-envoy-says-six-party-talks-on-n-korea-wont-resume

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英単語の読み方(4)=第1アクセントと第2アクセント [英語教育]

【2010年10月28日に掲載、30日に訂正】-英単語では、母音にアクセントがあるのは誰でも知っています。アクセントのある母音は強く読みます。1音節の語は母音は一つしかないので、当然その母音にアクセントがあります。たとえば dogでは [d'ɔg] のように[ɔ]にアクセントがあります。

 このブログでは、アクセントを ' で示すことにします。本当はアポストロフィーではなくアクセント記号で書くべきですが、 Unicode  Phonetic   Keyboard でも入力できないので、仕方なくアポストロフィーを使います。
 
 またアクセント記号は本来、母音記号の上に付けるますが、それもできないので母音記号の前に書きます。
 
 2音節の語ではどちらかの母音が強く、もう一方の母音は弱く読みます。たとえば answer では['ænsə]のように、['æn]が強く、[sə]は弱く発音します。

・第2アクセント
 3音節以上の語だと、もう一つ強い音節が現れることがあります。それを第2アクセントと言います。第1アクセントを1番強く言いますが、第2アクセントにも強勢を起きます。アクセントのない音節より強く言う訳です。
 
 第2アクセントが現れるのは大抵、4音節以上の語です。たとえば situation は[s`itʃu'eiʃən]と言います。[ei]を一番強く言い、[si]も強めに言います。第2アクセントは`で表します。

 confidence は3音節の語ですが、第2アクセントはありません。でも形容詞形の confidential になると現れて、 [k`ənfid'enʃəl] と言います。

 international [`intən'æʃənəl]や congratulation [kəngr`ætʃul'eiʃən]にも、第1と第2のアクセントがあります。第2アクセントも大事ですが、高校でも大学でもはっきりとは教えないでしょう。
 

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英単語の読み方(3)=音節 [英語教育]

【2010年10月26日】-英単語の読み方というシリーズを始めましたが、説明の順番が難しくてちょっと大変です。今回と次回は音節とアクセントについて説明します。発音の仕方と発音記号は基本的なことなので、説明するつもりはありません。

 まず音節についてです。音節は母音を核とした音のまとまりです。普通発音する時には、音節ごとにしか発音できません。たとえばcatは1音節の語ですが、[kæ]と[t]を別々には発音できません。[kæt]と言うしかありません。

・音節の構成
母音一つで音節を成すこともあるし、その前後に子音がつくこともあります。

 たとえばare[a:]は母音だけの単語ですが、これで1音節です。その前に[k]という子音を付けて、car [ka:]にしても1音節の語です。

 cat [kæt] は[æ]という母音の前に[k]という子音が付き、後に[t]という子音が付いていますが、これで1音節です。

 例外的に子音だけの音節もあります。[l]や[n]が音節を構成するのです。nation の[ʃn]やmiddle の[dl]に母音はありませんが、1音節と扱います。

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タグ:英語の音節
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ワシントン・ポストが言い訳 [英語教育]

【2010年04月29日】-アメリカの大新聞であるワシントン・ポストが鳩山首相を loopy と評したことが話題になった。官房長官は抗議し、党首討論でも出た。

 そのため同紙も気にしたのか、アル・ケーメンというコラムニストは28日付の同コラムで弁明した。だが、言い訳のように聞こえる。

 「日本では『愚か』か『いかれた』と訳しているが、『妙に現実から遊離した』(oddly detached from reality)のつもりだった」などと書いた。

 だが「現実から遊離している」は穏やかに表現しただけで、やはり「頭がおかしい」ということではないか。アメリカ人のトバイアス・ハリス氏も「頭がいかれてきた」と訳した。

 ケーメン氏は「島根大学の山田政美・教授が電子メールを送って、loopy の正確な意味を尋ねた。」とも書いた。物好きな人がいるものだ。

 ケーメン氏はいつもの調子で政治家を揶揄したが、日米間の対立に発展しかねないので、言い訳を書いたのだろう。

・リンク
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/04/27/AR2010042704746.html

山田教授: http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200901075946026342

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新潮社は中学1年の英語も知らないのか [英語教育]

【2010年02月22日】-『週刊新潮』には数ヶ月前から料亭の広告が出ていて、一番上に YES. WE CAN と大きく書いてあるので驚いた。まず料亭の広告に「はい、私達はできます」と書いても意味をなさない。また . でなく , だ。Yes の後にはピリオドではなく、コンマを打つのだ。中学1年で習うことだ。こんな基礎的なことも忘れたのか。

 「無学な料亭が和製英語を書いたか」と思っていたが、先日よく見たら新潮社の広告部が作っていたので、更に驚いた。

 その英語の下には eat delicious とも書いてあり、更に呆れた。「おいしく食べて下さい」と言いたいのだろうが、そうなら Eat deliciously と書くべきだ。

 deliciousは「おいしい」という意味の形容詞だから、eat という動詞の後には置けない。動詞を修飾するのは副詞だから、ly を付けて deliciously としなくてはならない。高校英語の基礎だが、こんなことも知らないで有名大学に入り、新潮社に入社したのか。

 だが Eat deliciously と書いても英語として不自然だ。普通このような場合は Have a good dinner. と言うと思う。また文を小文字で書き始めたので、それも間違いだ。

・大手出版社なのに
 『週刊新潮』は零細出版社の出す漫画雑誌ではなく、大手出版社が発行する有名な雑誌だ。部数は数十万部ある。そんな雑誌がこんな和製英語を、何ヶ月も書き続けているのは信じられない。

 間違いに気付いている読者はいるはずだが、きっと誰も指摘しない。新潮社内にも気づいている者はいるだろうが、言わない。だから有名雑誌がこんな明瞭な間違いを、何ヶ月も載せ続けることになる。

 和製英語など直すのは簡単だ。そんな簡単な改革もできないのだから、日本を立て直すのは無理だ。無学で無責任な人間ばかりだからだ。

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国連会議の COP は何の略か [英語教育]

【2009年12月12日に掲載、15日に訂正】-最近ニュースでは、コペンハーゲンで開いている「国連気候変動枠組み条約締約国会議」の略として COP15 と書く。COP は何のことかと思って調べてみたら、Conference Of the Parties の頭文字だった。

 party といっても「宴会」のことではなく、「関係者」の意味だ。パソコンの周辺機器で「サード・パーティー製」と言うことがあるが、この「パーティー」もその意味だ。

 conference は「会議」の意だから、COP は「締約国会議」しか表さない。「国連気候変動枠組み条約」には触れない略号だ。その会議の15回目らしいが、14回目までは見なかった。

 国連気候変動枠組み条約は、英語で United Nations Framework Convention on Climate Change と言い、UNFCCC と略すそうだ。英語でも日本語でも、名詞を並べた表現で分かりにくい。

・資料
http://kotobank.jp/word/COP

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「マニフェスト」はやめて「選挙公約」と言うべし [英語教育]

【2009年08月29日】-投票日はとうとう明日になった。前回の衆院選の時からか、選挙公約を「マニフェスト」と言うようになった。政党まで俗受けを狙って、不必要な英語を使うだから問題だ。

 初めは「マニフェスト」を「選挙公約」と訳してたが、今年になってからは「政権公約」と言うようになった。選挙運動の間、当選後に何をするか有権者に約束することだから、「選挙公約」の方がいい。なぜマスコミも政治家も「政権公約」と言うようになったのか。何か理由があるのか。マスコミは他者には「説明責任」を求めながら、自分達は説明しないで勝手に変えるから、矛盾している。

・マニフェストは和製英語か
 manifesto を英和辞典で引いたら、「宣言(書)、 声明(書)」と書いてあったが、「公約」はなかった。プログレッシブ和英辞典も「公約」の項に、manifesto は載せていない。

 Merriam-Webster On Line を見たら、「選挙公約」に当たる定義は載せていなかった。「アメリカの英々辞典にもないとなると、和製英語かも知れない」と思い始めた。

 ウェブ・サイトの Japan Today は、日本に関するニュースを英文記事で載せている。manifesto を「選挙公約」の意味で使ったこともあるが、少ない。8月2日に載った "Aso, Hatoyama trade criticism over policy platforms" の本文には、manifesto もあったが、policy platform の方が多かったと思う(記事は消えてしまって、もう見られないので、確かめられない。)題にある platform は「政策要項」の意味だから、policy platform で「選挙公約」を表すはずだ。題全体を訳すと「麻生と鳩山は選挙公約に関して批判し合った」だ。

 18日か19日に載った "Dueling manifestos" では題にも入っているが、本文では「公約」の意味で、campaign platform や platform と17回も書いた。manifesto は3回だけだ。campaign はここでは「選挙戦」「選挙運動」の意味だ。2日と18日頃の記事は、どちらも共同通信が英文で配信した記事だ。共同は、manifesto をあまり使わないようにしていることが分かる。

 またニュー・ヨーク・タイムズとワシントン・ポストが8月上旬に載せた記事には、policy pledge(政策の約束)や campaign promise(選挙戦の約束)や election promise (選挙の約束)と書いてあった。(これも記事が消えてしまった。)

 日本語のウィキペディアで「マニフェスト」の項目を見たら、「『選挙公約』の意味で使い始めたのはイギリスだ」などと書いてあったので、BBC のサイトで記事を調べてみた。

 "What went wrong for Japan's LDP? " には manifesto が出てきて、campaign promise などはない。だがイギリスの内政に関する記事では、election manifesto を幾つも見た。manifesto だけでは分からないこともある。

 次にイギリスの英々辞典を引いた。Cambridge Advanced Learner's Dictionary の manifesto の項には、"a written statement of the beliefs, aims and policies of an organization, especially a political party" と書いてあった。「組織、特に政党の信条・目的・政策を書いた文書」という意味だ。例文としては In their election manifesto, the Liberal Democrats proposed increasing taxes to pay for improvements in education. が載っていた。(自由民主党は選挙公約で、教育改革の費用をまかなうために増税を提案した)例文でも election manifesto となっている。

 だからマニフェストを「選挙公約」の意味で使うのは、イギリス英語としては確かにある。だがイギリスでも、election manifesto と言うことが多いのなら、日本で使うのはやめるべきだ。日本語で「選挙公約」と言った方がいい。

・語源
 Merriam-Webster On Line によると、manifesto は元々イタリア語の単語で、英語には1620年に入った。4百年近く英語にあるのに、まだ語末の母音が残っているのは不思議だ。形容詞や動詞として使う manifest があるからだろう。

 イタリア語やスペイン語では、母音で終わる語が多い。フランス語でも元々あったが、語末の母音は消えてしまった訳だ。

 「共産党宣言」は英語で The Communist Manifesto か Manifesto of the Communist Party と言う。共産主義は嫌いだから、余計に「マニフェスト」はやめてほしい。

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NHK の語学講座は、テレビよりラジオの方が勉強に向いている [英語教育]

 【ツカサネット新聞4月1日】-いま本屋に行くと、NHK の語学講座のテキストが山積みになっている。4月から語学の勉強を始める人が多いので、毎年3月末はたくさん置く。だがテキストは段々減って、翌年の2月末には半分以下になってしまう。

 NHK の語学講座は、テレビとラジオで放送している。ラジオなど野暮ったいと思って、「テレビで英会話でも始めようか」と思う人が多いだろう。

 だが、中学1年の時の基礎英語以来、20年くらい語学講座を聞いてきた経験から言うと、ラジオの方がずっと語学学習に適している。

 テレビは音と映像を両方出すから、一般的には分かりやすいが、語学の勉強には向いていない。画面もテキストも見なくてはならないので、忙して困る。ラジオではテキストだけ見ればいいので、勉強に集中できる。

 またラジオは放送回数が多いが、テレビでは週に1回しか放送しないので、勉強時間が少なくなってしまう。このような理由で、ラジオの方が語学に向いているのだ。

 4月から放送する英語の講座は、テレビでは5講座あって、『英語が伝わる!100のツボ』『テレビで留学!』『3か月トピック英会話』『アンコール新3か月トピック英会話』『リトル・チャロ カラダにしみこむ英会話』だ。

 ラジオでは9講座もあって、『基礎英語1』『基礎英語2』『基礎英語3』『ラジオ英会話』『入門ビジネス英語』『実践ビジネス英語』『英語ものしり倶楽部』『徹底トレーニング英会話』『チャロの英語実力講座』だ。多すぎて、よくない。

 テレビは週に1回20分が基本のようだが、ラジオでは週5回15分の放送をする。1週間に20分だけの勉強では、英語は上達しない。

 英語から遠ざかっていたが、一から勉強し直したい人には、ラジオで『基礎英語』の1と2を同時に聞くようお勧めする。中学1年や2年の英語は簡単だから、聞く必要がないと思う人が多いが、その程度の英語でもスラスラとは言えないだろう。基礎を疎かにしていては、何事も上達しない。実際の会話はこの程度の簡単な英語が多いはずだ。両講座でじっくり勉強すれば、英語力はぐっと伸びるに違いない。 

 英語から10年も離れていた人が、英会話の講座を取るのは無謀に近い。殆ど身につかないだろう。単語や文法が頭に入っていないと、会話を習っても上達しない。大人になってから英語をやり直す人は、基本を疎かにして会話に入るから、上達せずに投げ出してしまうのだろう。基礎を馬鹿にせず、ぜひ一からやり直して頂きたい。

 NHK は、他の外国語講座も放送している。ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、アラビア語、中国語、朝鮮語の9ヶ国語だ。テレビはやはり週に1回だが、ラジオでは4月から英語と同じく土曜の放送をやめ、時間を20分から15分に短縮した。原則として週3回が入門編で、2回は応用編だ。ロシア語は難しいからか、週5回入門編にしたので、じっくり勉強できるだろう。ロシア語に挑戦したいと思っていた人に、今回はいい機会だ。

 だが、テキストが380円もするのには驚いた。20年前は160円だったと思う。聞く人が少ないから、テキストを値上げし、それによって更に視聴者を減らしたのだろう。NHK は悪循環にはまっている。表面上は楽しくても、身につく番組を作っていないから、視聴者が減るに違いない。NHK は反省すべきだ。聞く側も、しっかり暗記しないと上達しないことを、銘記すべきだ。

 私も久しぶりに、語学講座を聞いてみようかという気になっている。

 ツカサネット新聞のサイトで読むのなら、http://www.222.co.jp/netnews/article.aspx?asn=13149 で。


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英会話学校について(下)~英語は難しい [英語教育]

【PJ 2007年11月26日】-(上)からの続き。(http://news.livedoor.com/article/detail/3400997/

 プラディ・ハウスという英会話学校に通って、英語がどれくらい上達したかというと、殆ど変わらなかった。上手くなったとしても、微々たるものだった。英語も中級以上になると、数ヶ月勉強しても殆ど上達しない。

 英語の初心者も英会話学校に通って、あまり上手くならないだろう。週に1回2時間くらい勉強しても、上達しないものだ。

 文法や単語が頭に入っていないと、会話の練習をしても身に付かない。基礎ができていないと、会話を習っても無駄だ。また英会話学校では、大抵外国人が教える。それがいいと思っている人が多いが、外国人はあまり日本語で説明できない。これでは何年、英会話学校に通っても、殆ど上達しない。

 中学や高校で6年間、英語の授業を週に数時間受けても、身に付かなかったのなら、それ以上の勉強をしないと、英語はできるようにならないはずだ。それなのに何年か会話学校に通えば、すぐ物になると思っている人が、実に多い。外国語の難しさを直視しないと、英語はいつまで経っても上手くならない。

 中学や高校の英語教育に不満を漏らす人もいるが、同じ授業を受けて、英語ができる人もいるはずだから、自分がどれだけ勉強しなかったかも考えるべきだ。5月14日付の「日本人が英語ができないのは、文法が苦手だからだ」(http://news.livedoor.com/article/detail/3157431/)に書いたように、教師が文法や解釈をしっかり教えていない問題もあるが、大半の生徒はちゃんと勉強していない。

 英語というと、まず会話を思い浮かべるのも、分からない。英語を話すのは、旅行した時ぐらいだ。だが読解に熟達すれば、外国文学が原文で読めるし、英字新聞などで外国の事情を知ることができる。国内では、読むことの方が役に立つ。

 また、英文がある程度読めるようになっていないと、単純な会話しかできない。会話ばかり考える人は、会話も中々上手くならないだろう。英会話の上達を望む人は、英文解釈の勉強もしてほしい。

 多くの人が会話を重視したり、学校の英語教育に不平を言ったりするのは、マスコミがそのような誤解や偏見を振りまいてきたからだと思う。マスコミは問題を解決したいようなことを言うが、実際には悪化させるために、よく嘘を付く。

 高校では偏差値を出していないのに、「偏差値教育」とけなしてきた。地獄のような苦しみを味わっている受験生は殆どいないのに、「受験地獄」と非難してきた。南京大虐殺や従軍慰安婦も、嘘だった。

 マスコミが、英語教育を悪化させるために付いてきた嘘をはねのけて、じっくり勉強しないと、英語はいつまでも上手くならない。英語が上達したい人は、人のせいにせず、単語の暗記や文法の習得に努力してほしい。【了】

 ライブドアのサイトで読むのなら、http://news.livedoor.com/article/detail/3401743/ で。

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プラディ・ハウスのテキスト。

授業では全く使わなかったので、まだきれいだ。

(撮影:跡見昌治、11月22日)


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英会話学校について(上)~NOVA の体験レッスン [英語教育]

【PJ 2007年11月23日】-英会話学校の NOVA は6月、誇大広告などの不正をしていたので、経済産業省から処分を受けた。そのため新規契約が減って、経営は悪化した。給料の支給が遅れたため、10月中旬には外国人講師がストをした。10月26日にはとうとう、大阪地裁に会社更生法の適用を申請して、営業を停止した。11月6日にはジー・コミュニケーションズが、670教室のうち200教室を引き受けると発表し、19日には名古屋市で授業を再開した。

 NOVA に通ったことはないが、池袋本校に説明だけ聞きに行ったことがある。その時、他の不正に気が付いたので、体験談を交えて NOVA の問題を書いてみたい。

 私は大学の英文科を出てから、3年間進学塾で中学生に英語を教えていた。英語を読むことには慣れたが、会話には自信がないので、英会話学校に通おうと思った。15年くらい前のことだ。

 NOVA など幾つかの学校に行って、説明を聞いた。私の記憶では、NOVA では一番短いコースでも1年で、授業料は50万円くらいだった。2年コースは90万円くらいで、3年コースは130万円くらいなので、「長いコースの方が得だ」と言われた。得であっても、金額が大きいので、とんでもないと思った。その頃はまだ返金の制度はなかったようで、返金については聞かなかった。

 二十歳くらいの女の子が何人も2年コースに申し込んで、90万円くらいを一遍に払っているのを見て、驚いた。女子高生が制服を着たまま、授業に出ているのにも、びっくりした。

 1年も通えるかどうか分からないし、金額が高いので、NOVA には行けないと思った。説明をした女性社員の態度がぞんざいなことも、気になった。明るくしていたが、心がこもっていなかった。そのため、NOVA に通う気持ちが更に薄らいだ。

 体験レッスンが受けられるというので、受けることにした。まず英語の体験レッスンを受けたいと申し出た。男の外国人が出て来たが、急に気が変わって、「ドイツ語の体験レッスンを受けたい」と言った。そうしたら、その外国人がドイツ語のレッスンもするような素振りをした。ドイツ人が英語を教えることもあるが、この人はアメリカ人かカナダ人のようだった。スタッフと英語でやり取りをしていて、その発音が北米英語だったので、そう思った。「この学校はいい加減だ」と思って、体験レッスンは断って、外に出た。

 他にジオスにも行ったが、予約をしていないと説明もしてくれなかった。また、プラディ・ハウスという英会話学校にも、説明を聞きに行った。ここは3ヶ月コースで、25万円くらいだった。NOVA に比べると割高だが、最低の授業料はずっと安いし、期間も短いので、ここに通うことにした。

 暫くしたら NOVA の女子従業員が、自宅に電話をかけてきた。私は既にプラディ・ハウスに決めていたので、「行かない」とはっきり断った。だがそのあとも何度か、従業員が電話をかけてきて、「どうして来ないのですか」などと勧誘した。余りにしつこいし、言い方がぶっきらぼうなので、不愉快になった。

 最後の電話の時、従業員は「何か意見があったら言って下さい」とも言った。会社をよくする気はあったようだが、「そんなしつこい体質が嫌なのだ」とは言えなかった。曖昧な答えをしていたら、「もういいです」などと言って、電話を突然ガチャンと切った。本当に無礼な会社だと思った。それを最後に電話は来なくなったが、4回くらい会報を送ってきた。だから私の NOVA に対する印象は、しつこくて、高いというものだ。

 プラディ・ハウスには3ヶ月くらい、休むことなく通うことができた。まあいい学校だったと思った。だが、この英会話学校はそれから5年くらい経ったら、倒産してしまった。NOVA のような図々しい学校が続いて、良心的な学校が潰れてしまったことに疑問を感じた。だから今回、NOVA が経営破綻したと聞いて、少し気持ちが和らいだ。

 NOVA ではアメリカ人などがドイツ語を教えていたようだと書いたが、それは15年も前のことだから、最近は違うだろう。ドイツ人やオーストリア人が、ドイツ語を教えているはずだ。体験レッスンだけは、アメリカ人などが担当したのかも知れない。

 その点を確かめるために、NOVA の池袋本校と巣鴨校に電話して、聞いてみた。どちらも女性が出て、「ネイティブ・スピーカーが教える」と言った。だが、話し方はまだ軽薄で、ぞんざいだった。接客態度は、15年経っても変わっていない。また国語力が低いので、商業敬語の「なります」を言った。

 15年前のことは、教室に訊いても分からないだろうと思って、大阪の本社に電子メールで2度問い合わせたが、返事がなかった。そこで郵便を出したら、やっと返事が来たが、「体験レッスンも含めてネイティブ・スピーカーが担当する」と書いてきた。だが、役所の指導にも拘わらず誇大広告を出し続け、返金にも応じなかった会社の言うことなど、信じられない。実際私は、同一人物が英語とドイツ語の体験レッスンをしようとする場面を目撃した。それは私の勘違いかも知れないが、不審を抱かせたのは確かだ。

 6月14日付の読売新聞によると、猿橋社長はカナダ人やスウェーデン人の友人と一緒に NOVA を始めたから、最初から非英語圏の欧州人が英語を教えていた訳だ。過去には北米人が、ドイツ語を教えたこともあるのではないか。NOVA は正直に答えてほしい。

 日本の語学学校では、ドイツ人などが英語を教えることがある。ドイツ語を習いに学校に行ったら、ドイツ人の先生は「普段は専門学校で英語を教えている」と言っていた。同じようなギリシャ人にも、会ったことがある。

 NOVA は広告や返金のこと以外にも、スキャンダルが多かった。講師が殺されたり、大麻所持で捕まったりした。経営が不誠実だから、問題のある講師が集まるのだろう。

 10月30日には弁護士が、豪華な社長室を公開した。バー・カウンターがあり、隠し部屋には茶室やベッド・ルームまで備え付けてあった。社長はここに寝泊まりしていたのか。内装費用は6千万円くらいで、家賃は270万円だったという。猿橋氏は倒産前に関連会社の株を売ったあと、行方をくらませて逃げている。最後まで無責任だった。【つづく】

 ライブドアのサイトで読むのなら、http://news.livedoor.com/article/detail/3400997/ で。

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     NOVA 池袋本校の看板(撮影:跡見昌治、11月21日)

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日本人が英語ができないのは、文法が苦手だからだ [英語教育]

【PJ 2007年05月14日】-日本人は、なぜ英語ができないのだろうか。正確に言うと、なぜ英語のできる日本人が、極端に少ないのだろうか。理由は、勉強が足りないから、特に文法が分かっていないからだと思う。

 単語をしっかり覚え、文法を学び、十分に練習すれば、外国語はできるようになる。多くの日本人は、単語をちゃんと覚えていないし、文法もあまり分かっていない。練習も足りない。だから、英語ができないのだろう。

 マスコミは以前「日本人は会話は苦手だが、文法は得意で、読み書きはできる」と言っていたが、これは嘘だ。実際には会話だけでなく、文法も読み書きも苦手だ。翻訳家などが訳した本には、誤訳や意味不明な訳文がある。読み書きがちゃんとできないから、会話もできないのに、どういう訳か会話だけ苦手だと言ってきた。

 殆どの日本人が、英文法を理解していないのは、ひどい和製英語を見れば、明らかだ。文法的に考えられない和製英語が、氾濫している。「グランド・オープン」などは、恐ろしいくらいだ。動詞を修飾するのは副詞なのに、open という動詞の前に、grand という形容詞を置いている。こんなことを書く企業の人も、これに疑問を感じない一般の人も、英文法の基本が分かっていない。

 実を言うと、中学や高校の教師は、英文法をちゃんと教えていない。公立の中学では、文法用語を極力使わないようにして、文法を教える。だが大半の高校では、生徒は文法用語を理解しているという前提で、授業をするようだ。私の通った高校ではそうだった。だから、生徒は文法の説明を聞いても、理解できないことになる。

 英語に限らず、語学教師は教え方や説明が下手で、大事なことを生徒に伝えることができない。これでは、日本人が英文法をよく理解していないのも、当然だ。

 英文法では文法用語を、国文法とは違う意味で使うことも、混乱の元になる。形容詞や英語か国語の教師は違いを説明すべきだが、それをしている先生は全国を見渡しても、殆どいないだろう。

 文法の必要性は明白なのに、文法を不要とする俗説も、まかり通っている。文法は、数学の公式やスポーツのルールのようなものだ。言語を成り立たせている基本法則だ。文法を理解しないで、どうやって英語を読んだり話したりできるのか。

 更に踏み込んだことを言うと、大半の教師が、文法をどれほど正確に理解しているか、怪しい。教師自身、文法を体系的に教わったことがない。受験参考書にも、文法や解釈の間違いがある。日本人は、英文法が得意どころか、苦手だ。だから、読解も会話もできないのだ。

 文法が分かっていなくて、受験生はどうやって英語を読み解き、大学に合格するのか。勘で訳しているようだ。単語の意味を勘でつなぎ、文の意味を推測しているようだ。

 ペーパー・テストなら勘でごまかせるが、会話ではそうは行かない。単語を聞き取って、勘で文意を推測するのは難しい。読解の時には、戻って読み返せるが、会話ではそれができない。また話しは、展開が早い。早く読めるようになっていないと、言葉のやり取りについて行けない。

 だから、ちゃんと読めるようになってない人は、うまく会話ができない。会話が苦手なのは、読解がちゃんとできないからだ。大半の日本人にとって、読み書きは得意だが、会話は苦手なのではない。両方とも苦手だ。もちろん、両方とも得意な日本人もいる。

 つまり多く人が英会話に苦労するのは、文法の理解が浅く、読解力が低いからだ。それをはっきり認識して対策を立てないと、日本人の英語力はいつまでも高まらない。

 以上のことは主に教える側の問題だが、生徒の側にも問題がある。英語を熱心に勉強する生徒は、多くない。一般的に日本の子供は、点数と成績のためには勉強するが、何かを身に付けようという気持ちでは勉強しない。教師が頑張っても、生徒が一生懸命勉強しなければ、成果は上がらない。

 外国語は、簡単にできるようにならない。何年も勉強して、やっとうまくなれる。そのことが分かっていない人は、すぐ「受験が悪い」とか「教科書が駄目だ」と、人のせいにする。

 現実を見詰めて必要な改革をしないと、小学校から英語を教えても、日本人の英語力は高まらないだろう。【了】

 ライブドアのサイトで読むのなら、http://news.livedoor.com/article/detail/3157431/ で。


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日本人はどうして英語ができないか [英語教育]

 11年前、朝日新聞の「論壇」に投稿したけれど、載らなかった文章です。

【1997年8月10日】- 6月下旬、文部省の中教審は、大学受験から英語をはずすよう提言した。受験英語は英語嫌いを生み、入試が終わるとすぐ忘れるからという。

  日本は、不思議な国だ。教育の問題は、何でも入試のせいにされる。いじめも登校拒否も、受験のせい。英語ができないのも、入試のせい。神戸の事件でも、中学生が逮捕されたので、受験のためだと言う人がいる。他の国に、入試はないのか。

 ある。ほとんどの国で、入学試験をしている。受験競争もある。それなのに無責任な人達は、日本にしか受験がないかのようなことを言う。

 教育問題の原因は、入試にあるのではない。文部省もマスコミも学者も、何十年も受験を諸悪の根源にしてきた。的はずれな議論をしてきた。これでは、教育はよくならない。

 では、なぜ日本人が英語ができないのか。正確に言うと、なぜ英語ができる日本人が極端に少ないのか。答は、単に勉強が足りないからだ。

 単語をしっかり覚え、文法を学び、十分に練習すれば、外国語はできるようになる。多くの日本人は、単語もしっかり覚えていないし、文法もちゃんと分かっていない。練習も足りない。だから、英語ができない。

 一般に「日本人は、文法は得意で、読むことならできる」と言われているが、これも神話だ。実際には、文法がほとんど分かっていない。だから、単語もなかなか覚えられない。本当は苦手なことを得意と言い張っていては、英語のできる日本人を増やすことはできない。

 実は教師は、文法をしっかり教えていない。英語に限らず、語学教師は、説明が下手だ。理路整然と説明しない。ちゃんと説明しないで文法用語を多用するから、生徒には、文法ばかり教わったという印象が残る。

 生徒の大半は、文法用語が分かっていない。用語が分かっていなければ、説明も理解できない。だから、いつも勘で英語を訳すことになる。

 ペーパー・テストなら勘でごまかせるが、会話は勘ではできない。一流大学を出ても、簡単な会話もできるようにならない。こうして、「文法ばかりやったから、会話ができない」という神話が、できあがる。

 文法の必要性は自明なのに、文法を不要とする俗説がまかり通っている。中教審も、文法の重要性を認識していないようだ。

 外国語学習の基礎になる文法を学ばずに、どうやって読解や会話に熟達するのか。文法は、数学の公式のようなものだ。言語を成り立たせている「基本法則」だ。文法をいらないものと仮定して議論したのでは、有効な対策は立てられない。

 また、読解と会話を、別個のように言う人がいるが、おかしい。同じ英語である。文字でなら分かるのに、音声では分からないということはない。会話ができないのは、読み書きがちゃんとできないからだ。

 話しは、展開が早い。早く読めるようになっていないと、会話にはついて行けない。いつも勘で読んでいるから、耳のそばを音声が素通りする。話そうとしても、言葉が出てこない。会話ができないのは、読解ができないからだ。

 つまり原因は、大学受験にではなく、中学・高校の教育にある。中高で、文法を基礎から教え、教科書をじっくり読ませなくてはならない。音読の練習をしっかりしておかないと、英語は口から出てこない。

 教師の側だけに、問題があるのではない。生徒にも問題がある。英語を熱心に勉強している生徒は、少ない。一般的に日本の子供は、点数と成績のためには勉強するが、身につけようと気持ちでは勉強しない。教師が頑張っても、生徒が熱心でなければ、英語はうまくならない。

 それなのに中教審は、「入試が英語嫌いを生む」と主張している。もしそうなら、付属高校から大学に進学した者は、英語が好きなはずだ。そういうデータを示してもらいたい。なければ、ただの言いがかりだ。

 外国語は、簡単にできるようにはならない。何年も勉強して、やっとできるようになる。このことが分かっていない人は、すぐ「受験が悪い」とか「教科書が駄目だ」と、的はずれなことを言う。努力した者だけが、報われるのだ。

 根本から変えないと、小学校から英語をやっても、何にもならない。文部省と中教審のしていることは、教育の改革ではなく、破壊である。


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日本の英語教育 [英語教育]

【1995年02月12日】-日本人は英語ができないと言われている。正確に言うと、英語のできる人が余りに少ないと言われている。なぜだろうか。

 いろいろな理由が挙げられている。受験勉強のせいだとか、教師が英語ができないからだとか。だが、どれも説得力がない。

 本当の理由は、単純明快だ。勉強が足りないのである。そして勉強の仕方が悪いのである。

 日本人は英語を馬鹿にしているところがある。「アメリカに行けば子供でも英語を話している」などと言う人が多い。確かにそうだけれども、どこの国でも子供はその国(その地域)の言葉を自然に話せるようになる。アメリカに限ったことではない。

 英語を馬鹿にするのは、英語は他の外国語に比べて比較的簡単だと思われているためでもある。実際、ドイツ語やフランス語に比べた場合、英語は易しい。ラテン語やロシア語と比べたら、英語の方がずっと易しい。だが、それでも英語という言語をものにすることは、とても大変なことだ。

 英語ができるようになるには努力しなければならないのに、「英語なんか簡単だ」と思っているから、真剣に勉強しない。だから英語ができるようにならない。

 英語ができるようになるには、まず単語をしっかり覚えなくてはいけない。次に、文法を理解しなくてはいけない。このふたつを身につけていれば、外国語はある程度使えるのである。ところがこういう当然の努力をしない人が余りに多い。

 そして、英語ができないことを教師や制度のせいにしてしまう。「教師が英会話ができないから、生徒は簡単な会話もできない」とよく言われるけれども、的外れである。どんなに教師が優秀であっても、熱心に教えなくては、生徒の英語力は向上しない。私自身中学生の時、英会話ができると自慢していた教師二人に英語を習ったけれども、二人とも熱心ではなかったので、学力の向上には結びつかなかった。

 また、英語をうまく教えることがとても大事だ。日本には熱心な教師はいるけれども、英語をうまく教えられる教師はとても少ないようだ。教師がうまく教えなくては、生徒は英語ができるようにならない。

 うまく教えるということは、第一に分かりやすく説明することである。英語に限らず、日本の語学教師は日本語が下手で、何を言っているのか分からないこともある。 

 第二に、文法をしっかり教えなくてはいけない。日本の英語教育は文法偏重と言われているが、実際には文法偏重なのではなくて文法軽視なのだ。中学でも高校でも、塾でも予備校でも、文法を体系的に教えていない。文法をしっかり教えないで文法用語を多用するから、生徒は文法ばかりやっていると感じ、英語ができるようにならない。

 文法の基礎は、品詞の分類である。この品詞の教え方が、特に下手だ。

 まず、伝統文法にならって、八品詞とするなら、何十万とある英単語はすべて八つの品詞のどれかに属すると教えなくてはいけない。それから、各品詞の特徴をしっかり教える。こうしないと、決して英文法は分かるようにならない。形容詞や副詞がどういう語なのか分からない生徒に、比較級や最上級を教えても何にもならない。

 また、同じ語が、いくつかの品詞で使われることも多い。こういう語に関しては、常に何詞として使われているか注意しなくてはいけない。

 私が英語を教えた経験から言うと、生徒は難しい文法事項が出てきたりすると、「変だ」といって受けつけないことがある。外国語は何語でも、母語に比べたら不自然極まりない。素直に覚えなくては、外国語はできるようにならない。

 本当の理由を知らないまま、いくら議論しても何にもならない。日本人はなぜ外国語が苦手なのか、本質的な議論が必要である。

・朝日新聞
 1994年8月31日の社説と9月3日の天声人語は、英語教育を取り上げているが、同じく一番大事な点を忘れている。

 それは、学習者の努力だ。どんなに教師が優秀でも、どんなに教材がよくできていても、生徒一人一人が一生懸命勉強しなければ、決して英語はできるようにならない。この一番大事なことが、日本の議論ではなぜかすっぽり抜け落ちている。

 そもそも外国語は何語であっても、とても難しいものだ。先ず発音が違う。文字が違うこともある。文法が違う。それなのに、日本人は外国語はそんなに難しくないと思っているようだ。「アメリカに行けば子供だって英語を話している」などと英語を馬鹿にする人もいる。主要な現代語の中で一番難しいと言われているロシア語だって、ロシアに生まれ育てば誰もが一応話せるようになるのに。

 日本語と英語は文字も違うし、文法構造が全く違うから、日本人は英語ができないのではないかと言う人がいるが、同じ漢字を使っている中国語もかなり難しい。中国では、簡体字という日本と違う省略体を使っているので、見慣れない字が多い。発音も難しい。音素(最低限区別すべき母音と子音)の数も多いし、漢字の読み方がすごく覚えにくい。漢字を全く知らない欧米人に比べたら、中国語は日本人に簡単だろうが、真剣に取り組まなければ何年やってもちゃんとできるようにはならないだろう。

 生徒がしっかり勉強していないだけでなく、教師もちゃんと教えていない。

 先ず、教師は「日本語が下手」(天声人語)である。旺文社の大学受験講座を聞いていると、国語と数学の教師は理路整然と話しているのに、英語の教師は話しが余りうまくない。最近はかなりよくなったが、以前はひどくて、とても分かりにくかった。

 また、言葉遣いが不正確で、説明の仕方が下手なだけでなく、教える内容自体に、かなり問題があると思う。特に英文法の教え方がひどい。

 文法偏重という批判もあるが、文法偏重だなんてとんでもない。現実は逆で、文法をまともに教えていない。だから英語ができない、英会話もできない。私は大学では英文科にいたけれども、英文法が一通り分かっていた友人は余りいなかったように思う。最近、ある翻訳の勉強会で中学の英語の教師をしていた人二人と会ったが、二人とも英文法の基礎が分かっていないようであった。私が文法用語を口にすると、他の出席者も含めて皆「文法は分からない」といった顔をしていた。文法は分からないが、勘で何とか訳しているのだ。だから、時々とんでもない訳をする。元英語教師の一人は、勘もさえていなくて、荒唐無稽な訳を随分書いていた。

 公立中学では、文法用語を使って英語を教えることは殆どない。だから、「英文法に偏った英語教育」(天声人語)というのは事実に反する。

 中学では文法をしっかり教えない。だが高校では、中学程度の文法は分かっているものとして授業が進められる。だから日本人は英文法も分からないし、英会話もできないのだ。

 文法は難しいものだ。文法用語は分かりにくい。だからしっかり理解していないと、チンプンカンプンになる。それなのに、日本の中学校でも高校でも英文法を系統的に教えていない。「文法ばっかりやっていて、簡単な会話もできない」という不満は、こういうことを背景にして出て来た的外れな批判である。

 「文法なんかいらない」という意見もあるが、文法が分からない人の負け惜しみだろう。文法をやらずして、どうやって外国語をものにしようというのか。文法は譬えて言えば、スポーツのルールのようなものだ。ルールが分からなければ、競技に参加できるわけはないし、観戦していてもつまらない。ルールは絶対に知らなくてはいけない。(文法規則は英語でgrammatical ruleと言う。)

 文法も同じである。外国語ができるようになるにはどうしても必要なものだ。それなのに文法なんか必要ないという人が多い。文法を無視して英語ができるようになろうとする人もいる。愚かだ。

 その重要な文法を日本ではしっかり教えていないのだ。例えば、動詞がよく分かっていない生徒は、不定詞を教わったらかなり混乱するだろう。だいたい不定詞という用語が分かりにくい。そういう品詞があるのかと思ってしまう。更に、不定詞の形容詞的用法や副詞的用法が出てきたら、チンプンカンプンかも知れない。

 先ず、品詞の分類をしっかり教えなければならない。品詞は文法の基礎だからだ。だが、日本の品詞の教え方は本当に下手だ。最初にどういう品詞があるか、しっかり教えるべきだ。英米の学校文法にならって八品詞とすれば、英文法には、名詞、代名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞、間投詞の八つの品詞があると教える。先ず、これを丸暗記しなくてはならない。

 次に、各品詞を説明するわけだが、この説明の仕方がほんとうに下手である。

 名詞は物の名前を表すとか、動詞は動作を表すとか説明することが多いが、これでは、余りに適用範囲が狭い。「机」や「本」は、物の名前だから名詞だということはすぐ分かるが、では「美」とか「真理」は物の名前ではないから名詞ではないかというと、名詞である。「動く」や「起きる」は、動作を表すから動詞であることは誰にでも分かるが、「感じる」や「思う」は精神活動を表すから動詞ではないかというと、動詞である。

 動詞は動作や精神活動を表すといっても充分ではない。「ある」はどちらでもないが動詞だからだ。意味によって品詞の定義をすることには限界がある。

 英語には八品詞あって、30万、40万ある英単語は全て八つのどれかに属すと説明すればいいのである。品詞を一つずつ定義しようとしても、うまくいかない。全体を捉らえなくてはいけない。

 他にも、文法教育には問題がある。subjunctive moodは仮定法と訳すことが普通だが、接続法と訳さないと詐欺になることがある。bare infinitiveを原形不定詞と訳すのは、大間違いだ。toなし不定詞とすべきである。文法用語の訳がおかしいのだから、日本人に英語ができる人が極端に少なくても何ら不思議はない。

 「教師が話せないから、生徒も話せない」という見方もあるが、これは本当に見当違いだ。私は中学生の時、英会話ができると自慢していた教師二人に英語を教わったことがあるが、二人とも教えることに熱心ではなかったし、説明が下手でひどい目に遭った。一人は和訳もしないで、教科書を読んでばかりいた。

 「英語はあまりできない」と白状していた先生の方が、一生懸命教えてくれ、為になった。(おかしなことを教えられたこともあるが。)

 また、私が英語を教えた経験から言うと、生徒に会話を教えようとしても駄目だ。ごく簡単な英文でもノートを見ないと言えない。読む練習が足りないからだろうが、生徒に英語を話せるようになろうという意欲がないことも事実である。勉強だからやっている、試験があるからやっているのである。

 だから「文法や読解中心で育った教師に、明日から会話教育を求めても」(社説)実行に移せる訳はない。


タグ:英語教育
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